昨年11月10日の読売新聞で、学校法人産業能率大学総合研究所で毎年実施されている「新入社員の理想の上司」調査結果記事を目にした。
そこには、理想の男性上司の変遷が掲載されていた。
2021年度の1位はムロツヨシさん。
因みに、
1999年度の1位は、プロ野球監督を務めた野村克也さん。
2001年度は、タレント・映画監督の北野武さん。
2002年度、2004年度は、同じくプロ野球監督だった星野仙一さん。
記事の中で特に印象に残ったのは、「リーダー像の変化」について書かれた内容だった。
出版文化史の淑徳大 横手教授によると、理想のリーダー像は、20世紀と21世紀とで大きく変化したという。
それは、
①指示型から支援型へ
②垂直目線から水平目線へ
③クリティカル(批判・批評的)から温容へ
の3つに特徴付けられている。
時代の変化とともに、21世紀は、相手に共感し、そっと背中を押すようなリーダーが重要視されている。
この記事を読み進めながら、以前読んだ「LISTEN(ケイト・マーフィー著/日経BP)」を思い出した。
そのキーワードは、「聞く」と「聞きあう」だ。
著者は、「聞く」ことの核心は「何が重要か」を探り当てることだ、と語る。
それは、「この人はなぜこの話を私にしているのか?」と常に自問しながら聞き、
話し手が答えを自分で気づけるように手助けすることだ。
さらに著者は、「成功するチームでは、メンバーの話をお互いによく聞きあっている」というグーグルの調査を紹介していた。
最も生産性のあるチームは、メンバーの発言量がほぼ同じくらいだということだった。
「聞く」と「聞きあう」
理想のリーダー像、理想のチーム像に、「LISTEN」は大切なキーワードだと感じた。
仕事だけではなくて、家庭もチーム。地域コミュニティもチーム。
チームで「聞きあう」ことができたなら。
素敵だな、と思う。
さらに著者は、こう綴っていた。
「思いやりに満ちた反応こそが、優れた聞き手の条件である」と。
「昨年売れたものランキング調査結果」から思う「人生100年時代の大切な考え方」
昨年12月、「2021年 売れたものランキング(株式会社インテージ調査)」の記事をネットで目にした。
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど全国約6000店舗の小売店の昨年1月〜10月の販売データを集計し、前年からの販売金額の伸び率で順位をつけたものだ。
1位となったのはオートミールで、前年比291%。
オートミールは、食物繊維・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富で低カロリーなのが好評で、主食としてコメに目立てて食べる「米化(こめか)」や、デザートに使うなど幅広い調理方法がSNSなどで話題となり、女性を中心に人気が急上昇した。
他にも健康を意識した食品や飲料が上位に入っている。
2位は、貧血予防や体力増強に効果があるとして品薄となった麦芽飲料。
4位は、プロテイン粉末。
7位は、解熱鎮痛剤。
8位は、ノンアルコール飲料。
コロナ禍で、健康志向が高まっているのかもしれない。
ふと、以前読んだ「LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略(アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン著 東洋経済新報社)を思い出した。
人生100年時代と言われる中で、人生を心豊かに生きるための考え方、人生の向き合い方が具体的に示されていた。
特に印象に残ったキーワードは、「考え方を変える」だった。
何に対しての考え方か。
それは「年齢」と「時間」に対してだった。
「年齢」を単なる年数として捉える以外に、「自分がどれくらい若いと感じているか」という主観的年齢の存在について著者は語っている。
年齢を重ねることを前向きに捉えている人は、否定的に捉えている人に比べて平均7.5年長く生きるという研究結果もあるようだ。
また、今までは「教育を受ける時間→仕事に携わる時間→引退生活を送る時間」という3つのステージが当たり前だった。
一方、人生100年時代では、学習や仕事、余暇の時間を人生全体に割り振り、各ステージでのストレスを軽減できる、と著者は語る。
年齢を重ねることをポジテイブに考える。
自分の人生は、自分でデザインする。
そのことが、心身ともに健康であり続け、心豊かな人生を送れるヒントのように感じた。
これからも、ブログ仲間の素敵な記事から刺激と学びをいただきながら。
自分自身が人生の主役として、主体的に生きていきたい。
そう思った。
自転車開発販売チェーン「あさひ」の発展のポイントを探る〜本当に実現したいVisionの追求〜
昨年、快適な自転車ライフを提供する「株式会社あさひ」が、500店舗を達成した。
達成記念として企画されたコンテストが、これまでの「あさひ」の発展を象徴する企画だと感じた。
それは、
あったらいいな、こんなサービス
あったらいいな、こんなお店
あったらいいな、こんな自転車
募集企画だ。
実現可能、不可能を問わず、「欲しいサービス・お店・自転車」を大募集したのだった。
この記事を見ながら、以前、TV番組「カンブリア宮殿」に紹介されたことを思い出した。
創業時の一般的な自転車販売といえば、売りっ放しで、故障しても専門スタッフもいない状況だったという。
そんな中、創業者の下田進社長が拘ったのは「サービス人材力」だった。
信頼される自転車のプロを育て、「売り手」の都合を排した「顧客目線」の店づくりに邁進したのだった。
他社が売った自転車も修理し、修理料金も店内に掲示している。
「地域のお客さまにとって、なくてはならない店になることが大事」と下田社長は語っていた。
さらに、「顧客目線のあさひ」の特徴として、「あさひ」独自のPB(プライベートブランド)自転車の開発と販売が挙げられる。
例えば、ビジネスマン向けには、革靴でも滑らない樹脂をつけた「ペダル」、ビジネスカバンを入れやすくするための横幅の広い「カゴ」等のついた自転車を開発、販売している。
顧客に寄り添い、顧客のニーズを知り尽くす「顧客目線」のオリジナル自転車そのものだ。
下田社長は、「大切なのは、売上げより何よりも来客数」とも語っていた。
「顧客にとって本当の満足とは何か」を追求する姿勢の大切さを学べる言葉だった。
以前、「KPIマネジメント(楠本和矢著/すばる舎)」を読んだ。
この書籍には、「あさひ」が事例として紹介されている。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」と言われる。
著者は、KPIの定義として「対象となる事業活動において、定めた目標の達成度合いや、目標達成に向けた主要な活動の進捗状態を測るための定量的な指標」と語る。
つまり、「目標の達成に向けて、集中する点を明確にして、アクションを起こし、その進捗を測るためのもの」だ。
そのKPIに「あさひ」は「サンキュー点検の登録者数を設定している」と記されていた。
390円で自転車のメンテナンスを定期的に受けられるサービスを導入し来店いただく。
新規の顧客獲得よりも、既存の顧客の「安心と信頼」「本当の満足」に集中したものだ。
結果として事業の発展につながっている。
「来客数への拘り」「本当の満足の追求」は、しっかりとKPIに反映されている。
あらためて、「あさひ」の発展のポイントは何か、を考えた。
「徹底した顧客目線」に立つことができるのはなぜだろう。
そうか。
「あさひ」のVision(経営理念)にも、こう記されている。
「自転車を通じて世界の人々に貢献できる企業を目指します。
その企業目的に賛同し、参画するすべての人々が、豊かな人生を送れることを目指します」
と。
「あさひ」は、Visionの飽くなき追求にワクワクしているのかもしれない。
だからこそ、徹底した顧客目線の実践を楽しめているのかもしれない。
Visionを掲げる人や企業は多い。
でも、「あさひ」までのVisionへの拘りは、少ないかもしれない。
リーダーの想い、情熱が、社員みんなの想い、情熱へと伝播しているようだ。
自分に置き換えてみる。
「心からの願い、本当に実現したいこと」を意味するVision。
そもそも、今、自分の掲げているVisionは、「本当のVision」なんだろうか。
新年がスタートした今、あらためて見つめ直したい、と思う。
キリンホールディングス・吉本興業・近畿大学・浜松市の「笑いの共同研究」から思う「感謝の心」
キリンホールディングスの研究機関「キリン中央研究所」が昨年11月24日、笑うことで集中力とストレスが改善される、とした研究結果を発表した。
吉本興業と近畿大学などと共同で実施した臨床研究で確認したという。
静岡県浜松市在住の男女25人を対象に、漫才の動画と、笑いとは別のジャンルの動画を鑑賞してもらい、認知機能の確認や脳血流・自律神経の変化、ストレス状態などを研究した。
その結果、認知機能やストレス反応が改善される可能性を見いだしたという。
常々、笑いは脳や心に良い影響を与えると感じていた。
ただ、キリンによると、産官学が協力して検証を試みたのは日本で初めてだったらしい。
コロナ禍で、脳や心にストレスを感じている人も多いと思う。
そんな中、一人ひとり、みんな頑張っている。
無理に笑顔になる必要はないと思う。
ただ、時には、「笑いの力」を借りても良いかもしれない。
自分自身の脳や心が、少しずつ癒されるかもしれない。
以前に読んだ「生きよう今日も喜んで(平澤興著/致知出版社)」を思い出した。
「とにかく生きるということは、平凡のようで奇跡中の奇跡である」と著者は語る。
さらに、筆者は続ける。
「いろいろの内臓がわれわれの知らぬ間にうまく働いている。それがどうしてうまく働いているのか自分ではわからぬ」
「他の人が見落とすようなところでも、見落とさずに見る。そうすると、平凡でないことがわかる。そこが有り難い。有り難いなぁと心から思えるようになる」
・・・。
医学博士であり、病気を患いながらも長生きされた著者の一つひとつの言葉に説得力を感じる。
「笑える」ということ、それ自体が奇跡中の奇跡なのかもしれない。
他の人が見落とすようなところでも、見落とさずに見ることを意識したい。
筆者は、次のメッセージも残している。
「あなたは、あなた自身が知らないところの、数倍のかくれた素晴らしいものを心の中にもっておる。とにかく、自信をもって堂々とおやりなさい」
新しい年、2022年が始まった。
今あらためて、自分の体に、自分の心に感謝したい。
今日もブログを書けることに感謝したい。
いつも素敵なメッセージを届けてくれる、ブログ仲間お一人おひとりに感謝したい。
「ありがとう」の気持ちを乗せて、今年初めての記事をお届けしよう、と思う。
2021年の今年の漢字「金」から思う。〜自分ブランドへの挑戦〜
12月13日。
日本漢字能力検定協会は、2021年の世相を一字で表す「今年の漢字」を発表した。
全国公募により決定し、京都市の清水寺で森清範貫主が揮毫した漢字は「金」だった。
「今年の漢字」は、1年を振り返り、世相を表す漢字一字を考えることで、漢字の奥深さ
や意義を再認識してもらおうと1995年から毎年実施されている。
応募総数22万3,773票から1万422票を集めた「金」。
東京オリンピック、パラリンピックで選手が大活躍し、多数の「金」メダルを獲得した。
コロナ禍で暗いニュースが続く中、多くの笑顔が日本中に広がった。
史上最多の金27個、総数58個のメダルだ。
一つ一つにドラマがあり、感動があった。
12月20日。
第70回日本スポーツ賞のグランプリ(大賞)の発表があり、柔道男子73キロ級で、
リオデジャネイロオリンピックに続き2連覇した大野将平選手が選ばれた。
大野選手の試合後のインタビューの中で、特に印象に残った言葉があった。
「ないものねだりをするよりは、自分の引き出しの中に持っているものを、
その日その日に発揮できるかが大切だと思います」
自分の引き出しの中に持っているもの。
この言葉から、「自分ブランド」というキーワードが思い浮かんだ。
そして、以前読んだ「パワーブランドの本質(片平秀貴著/ダイヤモンド社)」
を改めて読み返した。
「ブランドであるということは、圧倒的な存在感、ほかでは味わえない独自の世界」
と著者は語る。
圧倒的な存在感。
「そのために大切な法則がある」と、著者は続ける。
9つの法則の中で、特に3つの法則が私の心に刻まれている。
それは、「夢の法則」「一貫性の法則」「革新性の法則」だ。
自分自身に「夢やビジョン」が感じられるだろうか。
夢やビジョンを実現するための行動(打ち手)に「一貫性」が感じられるだろうか。
常により良いものを「革新」し続ける姿勢が感じられるだろうか。
「夢」「一貫性」「革新性」というキーワードで自分に問いかけると、
自分の引き出しの中に持っているものが鮮明になるかもれない。
自分の強みが浮き彫りになって、自分ブランドが磨かれるかもしれない。
もうすぐ新しい年、2022年が始まる。
まずは、「自分の夢」「自分のしたいこと」について、自分自身に問いかけることから始めてみよう、と思う。
連続ドラマ「プラチナタウン」で思う〜「高齢者の笑顔の力」〜
以前、wowowの連続ドラマ「プラチナタウン」を観たことがある。
高齢化が進むと同時に巨額の負債を抱える地方の街。
商社マンから故郷の町長に転身した主人公を中心に、高齢者が集い元気に暮らせるプラチナタウンに変身させようと、夢のプロジェクトに臨む人々の姿を描くドラマだ。
このドラマで、あらためて「高齢者の笑顔の力」について考えた。
これまでの行政は、道路の建設や工場の誘致など、企業や若い世代を街に呼ぶことで、財政難の克服に取り組もうとしていた。
だが、夢のプロジェクトは違った。
高齢化が進む街で、高齢者の笑顔をど真ん中に、これからの未来を描き、奔走したことが大きな転換点となった。
豊かな自然、素敵な介護施設、介護に携わる職員の方々の笑顔を、行政が力強く支え、多くの高齢者の笑顔が、人々の笑顔を呼び、活性化していく街。
そんなイメージが湧いてくるドラマだった。
先日、「スマート・エイジング」という言葉をネット記事で見た。
スマート・エイジングとは、東北大学が提唱している少子化・超高齢社会における新しい概念だ。
年齢を重ねるにつれて物事の見方が深まり、視野が広がることで人生が豊かになっていくことを意味するそうだ。
高齢期をマイナスにとらえるのではなく、年齢を重ねるからこそ人として成長でき、笑顔でポジティブに生きることができる、という考え方だ。
高齢者の笑顔には、周りの人を笑顔にする力がある、と思う。
私たちは、毎年、年齢を重ねている。
誰もが、高齢者になっていく。
だからこそ、今日の高齢者の笑顔は、地域の人々に未来を、そして社会全体に希望を提供できるのだと思う。
「2022年危機」という社会保障制度の危機が迫っているらしい。
戦後のベビーブームで生まれた「団塊の世代」が、来年から75歳を迎える。
それに伴い、医療や介護の現場を担う職員の人手不足が深刻になるとともに、高齢者医療のための費用も急増し、制度の持続可能性が大きく揺らぎかねないそうだ。
これから、ますます大切なこと。
それは、高齢者をはじめ、人々が安心して暮らせるための医療・介護職の環境整備、様々な制度や仕組み、社会づくりだ。
そして同時に、2022年危機が迫る今だからこそ、スマート・エイジングの考え方や生き方が、ますます大切になってくるように感じる。
年齢を重ねるにつれて物事の見方が深まり、視野が広がることで人生が豊かになっていく。
このような一人ひとりの意識や行動も、社会の課題解決や社会全体の笑顔につながるのかもしれない。
今から、自分が好きな学び直しのための情報を、少し探してみよう、と思う。
藤井竜王からの気づき・学び〜「悩む」から「考える」への転換〜
11月13日に、19歳の藤井聡太新竜王が誕生した。
史上最年少プロ入り、公式戦最多連勝記録、史上最年少タイトル獲得・・・と次々に新記録を打ち立ててきた。
11月16日の読売新聞に藤井竜王の記事が載っていた。
それは「自分の頭で徹底的に考え抜く姿勢」についてだった。
対局後振り返り、考え続けていた藤井竜王はスリッパのまま将棋会館を出ようとして、指摘を受けてはじめて気づく、といったエピソードも添えられていた。
同じく16日。
谷川浩司九段も藤井竜王について以下のように語っていた。
藤井竜王は常々、勝敗にこだわるとうまくいかない時に意欲が下がるので、内容こそを大切にしたいと発言しています。真理への思いです。・・・
対局で指した手だけでなく、考えたが指さなかった手も持ち帰り、深く研究しているのでしょう。この積み重ねが大変に大きい。考えたことを全て整理し、吸収して、進化を続けているというふうに見えます。
勝ち負けにこだわらない真理を求める姿勢。
すごい、と思う。
難しい将棋に出会えた時、考え抜くことそのものを、心から楽しんでいるのだろう。
出会ったことのない局面と真正面から向き合い、考え抜くことで、微かな光を発見する喜びを求めているのかもしれない。
この時、「『悩む』と『考える』の違い」について書かれている、いくつかのネット記事を思い出した。
「悩む」は、「どうしよう、どうしよう」と思考が堂々巡りになって「ぼやっとしている」状態で、「考える」は、自分なりの解決を見出そうと頭を使っている状態なのだそうだ。
確かに「考えているつもり」でも、実は「悩んでいるだけ」の時が多いかもしれない。
少し、「悩む」から「考える」への転換を意識することで、モヤモヤが晴れてくるかもしれない。
ここで、その「転換」のための2つのキーワードを考えたい。
それは、「仮説」と「書く」だ。
正解でなくていいから、まずは、「仮の答え」である「仮説」を出してみる。
「実現したいこと、解決したいこと」に対して、「どうしたらできるか」という意識で、とりあえず出してみる。
そして、そのことを紙に書いていく、視覚化していく。
この「仮説」と「書く」を意識した小さな一歩が、「悩む」から「考える」へ、さらに「考え抜く」への大きな一歩につながるかもしれない。
コロナ禍で、悩んでいる人も多いのではないだろうか。
「悩む」から「考える」への転換を意識することから始めることで、「考え抜くことを心から楽しむ自分」に出会えるかもしれない。