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不確実な時代に生きるヒントを見つめたい人にオススメの一冊。「論語と算盤」の思想入門(守屋淳 著/NHK出版)

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新型コロナ感染の影響もあり、これからの時代は、ますます不透明で答えのない時代に突入しているように思えます。
今回は、これからの不確実な時代に生きるヒントを見つめたい人にオススメの一冊をご紹介します。

その本は、「論語と算盤」の思想入門(守屋淳 著/NHK出版)です。

日本の資本主義の礎を築いた、渋沢栄一の生涯と思想を綴った内容で、これからの生き方やビジネスのヒントになリます。
間もなく、渋沢栄一を主人公とするNHK大河ドラマ「青天を衝け」も始まりますね。

渋沢栄一は、幕末から明治、大正、昭和の時代の移り変わりに、農民の生まれから「尊王攘夷の志士」そして「幕臣」に、その後、「パリ万博への代表団の一員」としてフランスへ渡ります。
つまり、倒幕を叫んでいた人が幕府の家臣になって、外国人を打ち払えって叫んでいた人がヨーロッパへ行って感化されたんですね。

そしてその後さらに、「明治政府の官僚」として活躍後、「実業家、社会起業家」として481社あまりの企業や約600の社会事業に関わり、「資本主義の父」にふさわしい成果を上げられました。

渋沢栄一の生き方は、どこか右往左往しているようにも見えますが、考え方の根底には、「強く繁栄した日本を作るために一身を尽くす」という志があったんですね。
「幕府打倒」や「外人排斥」は目的ではなくて、強く繁栄した日本を作るための手段だった、というのはすごいですね。

また、この本には、「公益を追求するという使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め、事業を推進させる」という合本主義や彼のモットーである「論語と算盤」について書かれています。
論語」については、時代に合った彼の再解釈のことも触れられていて、大変興味深かったです。


私も、仕事をする上で、すごく大事なのは、「何のため」「誰のため」という根本の軸を持つことで、その軸として大切なことは、「どんな社会を実現したいか」という強い思いなんだということを、仕事を通じて、つくづくと感じています。

これからの不確実で先の見えない時代に、「自分は本当は何がしたいのか」を自分自身にあらためて問い直して、「私なりの社会貢献に努めたい」と、より気持ちを新たにさせていただけた一冊でした。