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人生もビジネスも「引き算」思考が大切。「付加価値」が「負荷価値」とならないために。

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3月20日付の読売新聞を読んでいると、「家電攻防」という興味深い記事が書かれていました。

一部をご紹介しますね。

『「引き算の開発」が、パナソニック社内でキーワードになりつつある。
2020年9月に発売した新型オーブンレンジのボタンは13個と、従来品の19個から大幅に減らした。料理や飲み物を最適な温度で温める「自動メニュー」などをなくしたためだ。
代わりに画面は明るく、見やすくし、操作性を高めた。

商品企画担当の金田美智子さん(34)が、社内の会議でボタンを減らす案を示したのは19年夏のこと。
前例のない提案に、同僚からは「それで売れるのか」と、懐疑的な声が矢継ぎ早に上がった。新製品には新機能を加えるー。それが電気大手の常識だった。

「メーカーが考える付加価値が、消費者にとって負荷価値になってしまっているのではないか。
金田さんは粘り強く理解を求めた。こうして製品化にこぎつけた新型レンジの売れ行きは、当初計画を2割近く上回る好調ぶりで、これまで取引がなかった量産店にも置いてもらえるようになった。
・・・』

これからの人生100年時代では、ますますご高齢者の方々が増加していくことを考えると、このように「何を引き算するか」という思考で開発する家電は、一層求められるのでは、と感じます。
また、家電だけではなくて、様々な業界や生活で言えることのように思います。

「1日1話、読めば心が熱くなる 365人の仕事の教科書(致知出版社)」で、断捨離思考法について語る やましたひでこさん のメッセージを一部ご紹介しますね。

『断捨離は実は、モノを通した思考の片づけなんです。そしてそれをするためには、モノの片づけ以前の価値観の問い直しが必要なんです。
取っておこうという気持ちがあるのは、そのモノに価値を感じているからなんですよね。
ではその価値について、本当にきちんと思考しているだろうか。
どういう価値を感じてそれを取っておこうとしているのか。 

断捨離イコール捨てることみたいに思われがちなんですが、本来は自分とモノの関係を見つめ直して選び抜くこと、モノの片づけを通じて自己を深く探求し、心の混沌を整理して人生を快適にするツールなんです。
・・・』

人生やモノへの「付加価値」のつもりが、実は、消費者にとっても、自分自身にとっても、「負荷価値」になってしまっていないかどうか。
少し立ち止まって考えてみたいですね。