コロナ禍で、オンラインミーティングが日常的に行われるようになった。
良い点もたくさんあるが、課題を感じている人も多いようだ。
中でも多いのが、「コミュニケーション」についてだ。
先日、致知10月号を読んだ。
その中で、ドラッカー学会理事の佐藤等氏の記事が印象に残った。
まず目に飛び込んできたのが、次のタイトルだった。
「人と話すときは、相手が経験的に知っている言葉、つまり大工と話すときは大工の言葉を使え」
それから、引き込まれるように文字を追っていった。
特に2つの内容が、印象的だった。
1.コミュニケーションとは、受け手の知覚であること。
職場で起こるコミュニケーション・ギャップの多くは、受け手の問題に目を向けていないことから起きている、という視点に強く共感した。
受け手の多くは、期待する情報に関心を持ち、その情報を取捨選択して生きている。
だから、受け手が情報を意味あるものとして知覚することではじめてコミュニケーションはスタートし、さらに相手の期待という障害を乗り越えてコミュニケーションは深まる。
綴られているとおり、「コミュニケーションの主人公は、あくまで受け手なのだ」と思う。
2.コミュニケーションの本質は、意味・真意を伝えること。
初対面の人とコミュニケーションがなかなか深まらないのは、情報はあるが、その情報の意味、つまり真意が伝わりにくいから。
その人の考え方や背景を知らないことが原因で、コミュニケーションは、人と人をつなぐパイプラインのようなもの、と筆者は語る。
確かに、日頃の会話を思い出すと、互いに深く理解しあっている相手の場合、少ない情報でも通じるものがある。意味や真意が通じあえるベースがあるからだ。
コミュニケーションの本質は、情報ではなく、意味・真意を伝えることなのだ。
では、あらためて、自分はこれから、何を意識してコミュニケーションを始めようか。
いろいろと考えた。
そうだ。「相手を知ること」と「なぜ、そう思うかを語る」ことから意識しよう。