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「ヤマハの商品開発」に学ぶー「捨てる勇気」と「揺るぎない軸」と「問い直し」ー

 

ヤマハ浜松市に本社を置く総合楽器メーカーだ。
ピアノやギターといった楽器や音響機器などの製造、販売を行なっている。
また、国内外での音楽教室も有名で、新興国での楽器を親しんでもらう活動も展開している、という。

先日、ネット記事で、ヤマハの現社長、中田卓也さんの記事を読んだ。
そこで印象に残った言葉が、これだ。

「捨てる勇気」

続けて、こう語っている

「商品開発は、つい足し算になりがちだが、不必要な部分を削れば、絶対に譲れないところに力を集中できる」

確かに、テレビでもパソコンでも、作り手のこだわりが強すぎ複雑になりすぎて、消費者にとって魅力を感じない商品も少なくない。
これは、商品開発だけでなく、経営やチームビルディングにも通じる。

「引き算する勇気(岩崎邦彦著/日経ビジネス人文庫)」という書籍がある。

引き算によって本質的な価値が引き出され、人を引きつけることができる、引き算がチカラになる、と筆者は語る。
そして、「引き算するためには、しっかりとした軸が必要である」とも。

捨てる勇気をもって、絶対に譲れないところに力を集中するためには、「軸」が必要なのだ。

では、自分の中の「軸」を強くするためには何が必要だろうか。

「1日1話 365人の仕事の教科書(致知出版社)」の中で、断捨離で有名な、やましたひでこさんは、次のように語っている。

「断捨離は実は、モノを通した思考の片づけなんです。そして、それをするためには、モノの片づけ以前の価値観の問い直しが必要なんです」

「価値観の問い直し」

続けて、やましたさんは、問いかける。

モノを取っておこうという気持ちがあるのは、そのモノに価値観を感じているから。
では、その価値について、本当にきちんと思考しているだろうか。
無意識、無自覚に採用した価値観で思考はストップしていないだろうか。
意図的に、選択しているのであれば、それはOK・・・、と。

同じ書籍の中で、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんも、こう語っている。

ヒット商品を生み出すには、商品の本質を見抜くこと。
そのためには、前提を疑うこと。
ただ、一度疑ってみたけど、やはり正しかったということは十分あり得る。
大事なのは、そもそも、これでいいのか?と、その前提が正しいかどうかを一度検証してみること。
過去の習慣や常識にばかり囚われていては、それ以上のアイデアは出てこない・・・、と。

価値観を問い直してみる。
前提を疑ってみる。
同じ選択になったとしても、それはOK。

そのプロセスこそが、意識・自覚を強め、揺るぎない「軸」をつくっていく。