Visionary

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「小さな目標」から「満足感」、そして「夢」へ



新たな年がスタートし、新たな目標を掲げ、取り組んでいる人も多いのでは、と思う。

「目標」について考える時、「人生のプロジェクト(山﨑拓巳著/SANCTUARYBOOKS)」
の一節を思い出す。

「毎日を楽しむためには、目標までの期限を決めてしまうことだ。
期限が決まれば予定が組める。
予定が決まれば、今やるべきことが見える。
夢をかなえるまでのプロセスは単純だ。
間に合わないことがあっても、できないことはなにもない。」

さらに、著者は、こう語る。

「富士山にのぼろう、じゃあいまいすぎる。
五合目までのぼるか、頂上までのぼるか。
めざす場所によって段取りと装備が変わってくる」

自分は、何をめざしたいんだろうか。
目標を、人生を楽しむために設定しているだろうか。
あらためて自分に問いたい。

「一日一話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書(藤尾秀昭著/致知出版社)」に、料理評論家の山本益博氏の話が掲載されている。
プロ野球選手イチローについての内容だが、特に、目標について語るイチローの言葉が印象的だ。

「目標は高く持たないといけないんですけど、あまりにも高過ぎると挫折してしまう。
だから、小さくとも自分で設定した目標を一つひとつクリアして満足する。
それを積み重ねていけば、いつか夢のような境地に辿り着く」

さらに、別のインタビュー記事でのイチローの言葉も紹介されている。

「小さなことを重ねることがとんでもないところへ行く唯一つの道」

自分にちょうど合った小さな目標は大きな力になる、そう感じた。
目標で、満足感や達成感を積み重ねながら、人生を楽しんでいきたい。

「不眠解消法」と「あきらめる」と「跳躍」



昨年、「2022年の世相を表す漢字」に「戦」が選ばれ、森清範貫主清水寺で揮毫した。
公益財団法人「日本漢字検定協会」が公募し、総数22万3768票のうち「戦」が最多の1万804票を集めた。
戦争の恐怖や不安のほか、新型コロナや物価高といった生活に身近な戦い、サッカーのワールドカップ日本代表の熱戦などを理由に挙げる人が多かったようだ。
貫主は、「一刻も早く戦が終わり、皆が心安らかに日々を送れる年になってほしい」と語った。

本当にそう願うばかりだ。

今、睡眠の質の向上をうたう機能性表示食品「ヤクルト1000」の売れ行きが好調らしい。
スマホのアプリを使った睡眠改善プログラムなど、「睡眠市場」の活況が続いている。
ストレスで、深い眠りを妨げられる人が増えているのだろう。

「あきらめると、うまくいく(藤野智哉著/ワニブックス)」には、精神科医の著者が、頑張りすぎる人へのメッセージを綴っている。

あきらめるとは、あるがままの自分を受け入れること。
あきらめるとは、自分の気持ちを明らかにして、心軽やかに生きること。

「こうあるべきだ」という理想が高すぎて、自分を自分で追い込んでしまう人も多いのではないだろうか。

あきらめるとは、決してネガテイブな言葉ではない。
完璧ではない自分を許し、自分を好きでいよう・・そういうメッセージだと受け止めた。

不眠も「治ることをあきらめることで、治ることもある」のかもしれない。

今年は、うさぎ年。
ぴょんぴょんと跳ねまわる姿から、「跳躍」を意味する縁起物だとされている。

2023年も、あるがままの自分を受け入れ、自分のペースで「跳躍」できる1年にしよう
・・そう感じた。

「メンタル」と「言葉の力」と「インプット」

第71回日本スポーツ賞の大賞に、スピードスケートの高木美帆選手が選ばれた。
スキージャンプの小林陵侑選手とサッカー・ワールドカップ日本代表チームは、それぞれオリンピック特別賞、特別賞に。
高木選手は「アスリートとして速くなりたい、速く滑りたいという思いがスケートを続ける原動力だ」と語る。

今年もスポーツから数々の感動をもらった。
同時に、メンタルはどうすれば強くなるのか、と疑問に感じる人も多いのではないだろうか。

「言葉によって人は勇気を得たり、自信を失ったり、惑わされたりする。言葉には大きな力がある」と強調する専修大スポーツ研究所の佐藤雅幸教授(スポーツ心理学)の記事を読んだ。

「人は無意識に自分自身に多くの言葉をかけていて、多くはネガテイブに考えがち。その時のポイントが、少しのポジティブの思考に火をつけること」だという。

ポジティブな思考に火をつける。

その具体的な方法のひとつが、接続詞「but」の活用だ。
例えば、「もう勝てない」と思った瞬間、「追い込まれた『けれど』、まだ負けてない。逆転のチャンスはある」と、ポジティブな言葉を自分に投げかける。

なるほど。

他人からの言葉はコントロールできないが、自分へのセルフトークは自由自在だ。
言葉の力を再認識した。

先日、「本日は、お日柄もよく(原田マハ著/徳間文庫)」を読んだ。
OLの主人公が、言葉の力に魅了され、スピーチライターという職業に就くまでの小説だ。

心に響く数々の言葉が綴られている。
その中で特に印象に残るフレーズがあった。

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」

とまらない涙はない。乾かない涙もない。人は皆、そうできている。大丈夫・・・。

言葉の力を磨くために、素敵な言葉をインプットしていくといいかもしれない。

「サッカー(W杯)森保監督」と「マネジメント」と「モチベーション」



サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は優勝4度を誇るドイツに見事逆転勝ちした。

チームを勝利に導いた森保監督のマネジメントに興味を持ち、過去のネット記事を読んだ。

すると、一つの大切なキーワードにたどり着いた。

それは、「モチベーション」だ。

森保監督のマネジメントの特徴は、選手のモチベーションを高く保つことにある。
すべての選手に対して固定観念や既成概念を捨てて、チャンスを与えながら、選手の活躍の機会を模索するという。

例えば、ベテラン選手の起用だ。
2018年に日本代表監督に就任した当時、チームが直面していた課題は世代交代だった。
ただ、世代交代だからといって年齢の高い選手を闇雲にメンバーから外さないのが森保流だ。
「年齢で招集されない、ことはない」という強いメッセージになった。

また、森保監督は、Jリーグに足繁く通って、年齢にかかわらず能力やコンディションのいい選手を日本代表に招集した。
プレーする選手にとっては、「頑張れば、起用してもらえるのでは」という期待感が、高いモチベーションにつながる。

今回のドイツ戦でも、選手起用が光った。
ベテランの長友選手も、開始直後で体を張り、いつものように躍動した。
まさに全員で勝ち取った勝利だ。

「モチベーションの心理学(鹿毛雅治著/中央公論新社)」で、著者は次のように語る。

「実現可能性が低ければ、モチベーションは上がらない。
何とかなりそうだ、と思うからこそ、やる気になる」と。

「心の安全基地」という考え方を聞いたことがある。
それは、安心感が保証された場所だ。

「心の安全基地」では、人にも優しくなれ、自分も好きになれる、という。
そして、自分に期待し「何とかできるかもしれない」という挑戦心が生まれる。

「モチベーション」を真ん中に置いて、日頃の仕事や生活を振り返る時間も大切にしたい。

オリックス 中嶋監督のマネジメントからの学び〜「ビジョンの力」と「信じる力」と「知る力」〜



プロ野球の発展に最も貢献した野球関係者に贈られる正力賞に、オリックス・バファローズの中嶋監督が初めて選ばれた。
中嶋監督は就任2年目の今季、2年連続でパシフィック・リーグを制覇し、日本シリーズでも、東京ヤクルト・スワローズを破り、26年振りの日本一に輝いた。

中嶋監督のマネジメントから多くの学びを得ることができる。
そのキーワードは、「ビジョンの力」と「信じる力」と「知る力」だ。

優勝インタービューが印象的だった。

「マネジメントできていたかどうか分かりませんけど、調子のいい選手をどんどん使って、全員で勝つ。それをシンプルにやっただけだと思います」

「全員で勝ちたい」という強い思いは、シーズン中の選手起用でも度々実感した。

全員で優勝するんだ。
このビジョンの力が、全ての原動力なのだろう。

そして中嶋監督は、全員で優勝するために、選手が力を発揮する場を用意する。

シリーズ第2戦の9回に同点3ランを浴びた阿部投手を責めず第5戦で起用。
汚名返上の機会を与えられた阿部投手は好救援をみせた。
不調でも我慢して起用し続けた杉本選手がシリーズ最高殊勲選手(MVP)に輝いた。
抜擢した若手の太田選手が第7戦で先頭打者本塁打を放った。

一つの失敗や敗戦だけで評価しない。
選手の可能性を信じ、誰もが活躍できる場を用意する。
そのことを実感している選手たちは、心理的安全性のある環境で成長できるのだろう。

さらに中嶋監督は、選手が力を発揮する場を用意するために、選手を知る努力を惜しまない。

「選手たちは、俺のことを友達ぐらいにしか思っていない」と笑う中嶋監督は、選手の性格やコンディションを深く知っている。
一人ひとりの選手を把握し、成長のイメージを描いて、期待する。
だからこそ、全員野球が成り立つのだろう。

「ザ・マネジャー 人の力を最大化する組織をつくる(ジム・クリフトン/ジム・ハーター著:日本経済新聞出版)」の著者は、マネジメントで大切な考え方を綴っている。

特に印象に残ったのは、人に敬意を払い、人の強みを理解すること。
そして、年に一度の評価ではなく、絶え間ないコミュニケーションとフォードバックの習慣化だ。

中嶋監督は、選手に敬意を払い、絶え間ないコミュニケーションとフォードバックを通じて、選手を知り、強みを理解し、活躍する場を用意している。

マネジメントはもちろん、教育や子育てに通じる点も多い。

「秋の読書推進月間」と「安藤忠雄氏」と「挑戦心」



10月27日から「秋の読書推進月間」が始まった。
その前後に様々な世論調査が行われている。

そのひとつが、全国学図書館協議会調査だ。
小学4年生〜高校3年生の5月1ヶ月の平均読書冊数は、小学4〜6年生は6.5冊から13.2冊、中学生は2.1冊から4.7冊へと倍増した。
小学生で朝に読書の時間をとる「朝読書」の広がりなども要因と考えられている。
一方、1ヶ月に1冊も読書しない割合は、男子の場合、中3生で31%、高3生で68.5%に上るようだ。

また、読売新聞社の全国世論調査では、児童書などを集めた子ども向け図書館をもっと増やすべきだと思う人が71%に達したという。

子どもたちに読書する環境を求める人が増えている。

同じ全国世論調査には「どういう図書館なら利用したいか」という問いがあった。
その最も多い回答が「自宅の近くや通勤・通学途中で利用できる」の利便性(40%)だった。
ただし、コロナ前の2017年と比較すると10ポイント低下した。
一方、2位の「閲覧スペースが広いなど居心地が良い」の快適さ(37%)は8ポイント増加している。

この「子ども向け図書館」と「居心地」と「快適さ」のフレーズで頭に浮かんだ図書館がある。

安藤忠雄氏が設計した、大阪府中之島にある文化施設「こども本の森 中之島」だ。

全面本棚の壁で囲まれた三層吹き抜けの空間。
階段、ブリッジ通路が立体迷路のように巡る建物内部。
本の隙間から見える堂島川の素敵な風景。
子どもたちは、気になる本を、階段や水際テラスなどのお気に入りの場所で自由に楽しむ。
まさに「子どもたち主役の本の森」だ。

安藤忠雄氏は、鉄筋コンクリートを使用することにこだわりを持つ。

その理由は、現代においてそれが最も「ありふれた」存在だからだそうだ。
「世界中どこでも、誰でも可能な方法で、世界のどこにもない、誰にもできないものをつくりたい」という挑戦心が一番の理由という。

兵庫県立美術館や直島の地中美術館など、安藤氏設計のいくつかの建築物を訪れたことがあるが、どれもシンプルで美しい。

まさに「神は細部に宿る」だ。

シンプルな素材ほど、設計者の強い思いと高度なスキルによって、細部にまで凄みが際立つのかもしれない。

安藤氏の情報をネットで見ると意外な発見があった。

安藤氏は、工業高校を卒業した後、大学には経済的・学力的な理由でいけないことを受け入れ、働きながら自学した。
海外を飛びまわり建築行脚もし28歳で事務所を開設。
常に挑戦心を持ち、大病を患っても、現実を受け入れ生活を一新し健康を維持している。

安藤は語る。
これからは、自分の夢や生き方を自分で探し、創っていく時代になるだろう。
自分の道を自分で考え、逆境をチャンスに変えていってほしい。
・・・と。

現実を受け入れ、そこから、自分の道を自分で考え、挑戦し続ける。
勇気をもらえた気がする。

秋の読書習慣。
お気に入りの本を楽しみ、これから自分が挑戦する道を探すのもいいかもしれない。

「鉄道開業150年」と「時間」と「変化」



1872年(明治5年)に日本で鉄道が開業して、昨日の15日で150年を迎えた。

最初の路線は新橋ー横浜(現・桜木町)。
イギリスから輸入した日本初の機関車が、29キロを53分で駆け抜けた。
10両編成の特別列車の3両目には明治天皇が、4両目には西郷隆盛大隈重信板垣退助
5両目には勝海舟山縣有朋、6両目には渋沢栄一が乗車し、国家の一大事業だったことが伝わる。

日本の鉄道は、40年余りで車両や運営体制など、様々な技術をほぼマスターし、独自の運営ができるようになった。
今では、JR・私鉄を合わせ約2万7700キロに及び、一日あたり約6800万人が利用するという。
まさに、「世界有数の鉄道国家」へと成長した。

この鉄道開業150年に思いを巡らした時、「時間」と「変化」のキーワードが頭に浮かんだ。

「鉄道ができるまで一般の日本人には分刻みの時間の感覚がなく、決められた時間に発着する鉄道で、正確な時間を意識するきっかけとなった」というネット記事を読んだことがある。
確かに、鉄道の時間の正確性にたびたび感動を覚える。

さらに「時間」について考えたい。

経営思想家のドラッカー氏が書いた「プロフェッショナルの条件(ダイヤモンド社)」には、
「成果をあげるための秘訣は、集中である」とある。

もっとも重要なことに時間を集中すること。
そのためには、何に時間が取られているかを明らかにすること。
そして、得られた時間を大きくまとめること。

時間に追われることなく、「時間をデザインすること」を楽しむのもいいかもしれない。

そして「変化」だ。

大正から昭和の戦前期の鉄道は、人やものの移動に欠かせない存在となった。
1964年(昭和39年)には、世界で初めての高速鉄道である新幹線が開業し、多くの人やものを短時間で運ぶ時代となった。
鉄道を中心に活気のある街が生まれ、今も次々と素敵な観光列車が誕生している。

150年の歴史の中で、鉄道の役割は時代のニーズに合わせて変化してきた。
「移動手段」としてスタートした鉄道が、これからも、次々と新しいコンセプトを乗せた鉄道へと変化していくのだろう。

私たちの生活や生き方も、日々、変化している。

変化を楽しみたい。