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より良い方向に進むための「コツ」を考えることの大切さ



読売新聞に、公衆衛生学者、林英恵さんの印象に残る記事があった。

不健康な生活習慣がやめられないのは、意志が弱いからでも、努力が足りないからでもない。
健康習慣づくりには様々なコツがあり、一つは環境の力を味方につけること、という。

例えば、スナック菓子をやめられない人は、部屋の見えるところに菓子を置かずに、果物などを置いてみる。
きちんと睡眠を取りたい人は、スマートフォンを手の届かない場所で充電してみる。

実践のためのコツを意識して、小さなことから具体的に試してみることで、道が開けるかもしれない。

以前、メンタルヘルスセミナーを聴講したことがある。
人は、どんな時にストレスや怒りを感じるのだろうか、という問いがあった。
それは、自分の「こうあるべき」という常識を裏切られた時に多いそうだ。

なるほど。
「こうあるべき」という「べき」の拘りが強いほど、ストレスは増すのかもしれない。

さらに講師は続けて、「良好な人間関係を築くための会話のコツがある」と語った。

そのキーワードは「事実」「気持ち」「提案」だ。
事実を伝えた後、自分の気持ちを表現し、次に解決のための提案をすることで、お互いが分かり合え、良好な人間関係が保たれる。

例えば、共働きの夫婦で、今日の夜は夫の食事当番だったとする。
だが、残業で疲れて帰り、ソファでうたた寝をしてしまった。
食事の用意ができていない状況で妻が帰宅し、第一声が「えっ、まだ用意できてないの?」
この時、夫は、何と答えるだろう。

「事実」「気持ち」「提案」という会話のコツを使ってみよう。

○○時まで残業があって、帰宅が遅くなったんだ(事実)。
帰宅してから思わずうたた寝をしてしまった。今日、とても疲れてるんだよ(気持ち)。
今日は、当番を変わってくれないかな(提案)。

「事実」「気持ち」「提案」の中で、一般的に人は「気持ち」を伝えていないことが意外に多い、と講師は語る。


「お互いにコミュニケーションを大切にしよう」と漠然と投げかけるよりも「事実・気持ち・提案という会話のコツを試してみよう」の方が、より良い方向に進むかもしれない。

ちょっとした様々なコツがありそうだ。
小さなことから試してみたい、そう感じた。