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潜在能力を引き出す方法〜言葉の力〜

まもなくパリオリンピックが開催される。
パリでオリンピックが開催されるのは1900年、1924年に続き3回目となる。
本大会では、32競技329種目が実施され、開会式ではパリ中心部を流れるセーヌ川が舞台となる。

月刊誌「致知8月号(致知出版社)」で、オリンピック選手たちの快挙をサポートしてきた脳科学者、林成之氏の興味深い記事が掲載されていた。

林氏は、「自分で自分の潜在能力を放棄している人の何と多いことか」と嘆く。
潜在能力とは、「表に出ていない、内に秘めた才能」を意味するが、林氏によれば、「この潜在能力は誰もが持つ才能で、誰もが高めることができる」という。

特に印象に残ったのは、潜在能力の大きな弱点は「否定語」というキーワードだ。
脳が情報を処理するプロセスにおいて、マイナス感情は潜在能力の働きを鈍らせる。

記事には、これまで林氏が助言してきた、いくつかの事例が紹介されていた。

一つは、2011年開催のサッカー女子W杯で日本勢初の優勝を成し遂げたなでしこジャパン
その助言は、「後から何を言うかは関係なく『そうだね』と同調して会話を始めなさい」だった。
「そうだね」の言葉で生まれた信頼関係で、否定されることの恐怖心がなくなり、チームメイトのお互いが受け止め合い、自ずと潜在能力を引き出し合った。
結果、ボールを持ったら仲間がいないところへ迷わず、失敗を恐れず蹴る、という常識破りのパス回しを生み出し、快挙の大きな要因となったのだ。

他にも、
卓球の石川佳純先生への「私は絶好調。きょうは自分の日だ」の言葉。
競泳の北川康介選手への「『勝てるかどうかわからない』でなく『自分だったら勝てる』」の言葉。

「ポジティブな言葉や考え方は、脳機能の働きを阻むことなく、潜在能力を生み出す」
という事例に勇気をもらえる。

さらに、記事の最後に綴られた林氏のメッセージに目が止まった。

「『いい年だからできない』『年を取った』は潜在能力を消す禁句」・・・

あらためて、ポジティブな言葉を大切にしよう、そう自分自身に言い聞かせた。