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「自己承認力」のための「仮説と発見」の重要性



今年も早や10月。
2022年度も第Ⅱ四半期(7〜9月)を終え、第Ⅲ四半期(10〜12月)に突入した。

コロナ禍でテレワークが進む中、「自分の価値を認められたい」という承認欲求が満たされない人が増えているとも言われる。

同志社大学教授の太田肇氏も、「日本人の承認欲求(新潮新書)」で、「承認されるとやる気や仕事のパフォーマンスが上がる」という国内外の企業の聞き取り調査を紹介し、「コロナ禍でのテレワークの普及が、働く人々に承認不足をもたらした」と指摘する。

多様な働き方や生き方が広がる今、「人からの承認」と同時に、「自分で自分を承認する自己承認力」の重要性が増しているのかもしれない。

以前、医学博士の山鳥重氏の「『わかる』とはどういうことかー認識の脳科学(ちくま書房)」を読んだ。

そこには、次のような興味深い内容が記されていた。

「受け身の形で人から与えられた問題が解けたからといって、知識が自分のものになるわけではない。本当の意味でのわかる・わからないの区別の能力は、人から与えられるものではない。自分から自発的にわからないことをはっきりさせ、それを自分で解決してゆかないかぎり、自分の能力にはならない」

「学校で教わるタイプの理解を重ね合わせ的理解と呼ぶなら、自分で仮説を立ててゆくタイプの理解は発見的理解と呼ぶことができる。行動に本当に必要なのは後者。社会で生きていく、自然の中で生きていく、というのはその時、その時、新しい発見、新しい仮説を必要とする」

自分で仮説を立ててみる。
自分で試してみる。
新しい小さな発見が見つかる。
さらに、自分で新しい仮説を立ててみる。

そのプロセスの中で、「自分でできているところ」がわかり、それが少しずつ増えていく。
その「実感」「手応え」の小さな積み重ねが、「自己承認力」へとつながるのかもしれない。