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「鉄道開業150年」と「時間」と「変化」



1872年(明治5年)に日本で鉄道が開業して、昨日の15日で150年を迎えた。

最初の路線は新橋ー横浜(現・桜木町)。
イギリスから輸入した日本初の機関車が、29キロを53分で駆け抜けた。
10両編成の特別列車の3両目には明治天皇が、4両目には西郷隆盛大隈重信板垣退助
5両目には勝海舟山縣有朋、6両目には渋沢栄一が乗車し、国家の一大事業だったことが伝わる。

日本の鉄道は、40年余りで車両や運営体制など、様々な技術をほぼマスターし、独自の運営ができるようになった。
今では、JR・私鉄を合わせ約2万7700キロに及び、一日あたり約6800万人が利用するという。
まさに、「世界有数の鉄道国家」へと成長した。

この鉄道開業150年に思いを巡らした時、「時間」と「変化」のキーワードが頭に浮かんだ。

「鉄道ができるまで一般の日本人には分刻みの時間の感覚がなく、決められた時間に発着する鉄道で、正確な時間を意識するきっかけとなった」というネット記事を読んだことがある。
確かに、鉄道の時間の正確性にたびたび感動を覚える。

さらに「時間」について考えたい。

経営思想家のドラッカー氏が書いた「プロフェッショナルの条件(ダイヤモンド社)」には、
「成果をあげるための秘訣は、集中である」とある。

もっとも重要なことに時間を集中すること。
そのためには、何に時間が取られているかを明らかにすること。
そして、得られた時間を大きくまとめること。

時間に追われることなく、「時間をデザインすること」を楽しむのもいいかもしれない。

そして「変化」だ。

大正から昭和の戦前期の鉄道は、人やものの移動に欠かせない存在となった。
1964年(昭和39年)には、世界で初めての高速鉄道である新幹線が開業し、多くの人やものを短時間で運ぶ時代となった。
鉄道を中心に活気のある街が生まれ、今も次々と素敵な観光列車が誕生している。

150年の歴史の中で、鉄道の役割は時代のニーズに合わせて変化してきた。
「移動手段」としてスタートした鉄道が、これからも、次々と新しいコンセプトを乗せた鉄道へと変化していくのだろう。

私たちの生活や生き方も、日々、変化している。

変化を楽しみたい。