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「スポーツの日」に想う、「自ら考える力」の大切さ

 

今日は「スポーツの日」だ。

もともとは「体育の日」という名称だった。
2021年、東京オリンピク開催をきっかけに、教育的な意味合いが強い「体育」から、体を動かすという、より広い意味合いと、世界的にも親しみのある「スポーツ」に名称変更した。

祝日の内容も、「体育の日」の「スポーツに親しみ、健康な心身を培う」から、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」に改められた。

今年の7月末、山口県萩市で、部活動の民間移行のための指導者育成研修が行われた。
その講師は、駅伝の指導者で有名な青山学院大学陸上部の原監督だった。

「上からの押しつけは、先生に怒られないようにする、という姿勢を生み、自分で考えて課題を解決する力が身につかない」と語る原監督。

原監督自身、中学の頃から、走れ、と言われてひたすら走ってきた世代。
中国電力の陸上部を退部して社員になった時、スポーツで培った経験で仕事に生かせるものが少なく挫折感を味わった、という。
スポーツでしか通用しない経験だとしたら、何のためにスポーツをするのか。
大きな疑問を感じた、という。
目標から逆算して計画を自ら考え、仲間とともにチャレンジすることで成長の喜びや手ごたてを実感できていたとしたら、そのスポーツの経験は、仕事にも大いに生かすことができていただろう、と。

あらためて、「やらされ」ではない「自主性」の大切さを感じる。
スポーツを介して「自ら考え、仲間と相談し合いながら、チャレンジする」ことが、純粋にスポーツを楽しむことにつながり、その経験が人生にも生かせる、そんな気がする。

原監督は、こう語り続ける。
「押しつけの指導を変える。自ら考える力を養う指導を。そのためには、前向きな言葉をかけてほしい」と。