「都道府県別健康寿命ランキング」をきっかけに考えた「健康寿命のためのポイント」〜「自問」と「朝の日課」〜
昨年12月、厚生労働省は、男性72.68歳、女性75.38歳という健康寿命推計結果(2019年時点)を公表した。
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活を制限されずに暮らせる平均的な期間のことだ。
日本は世界有数の長寿国と言われているが、
平均寿命から健康寿命を差し引いた「不健康な期間」は、男性8.73年、女性12.06年と長い。
なるべく「健康寿命」を保ちたいものだ。
都道府県別で見ると、大分県の健康寿命が、男性は全国1位、女性は全国4位と長い。
何気なく、大分県のホームページを見てみた。
「めざせ!健康寿命日本一おおいた」のキャッチフレーズが目に飛び込んできた。
大分県では、
健康アプリを活用した運動の促進。
塩分控えめで野菜たっぷりな食事の普及。
事業所ぐるみで行う健康づくりへの取り組み。
・・・など。
官民一体となった様々な活動を推進している。
県民一人ひとりの意識と行動、そのための地域全体の取り組みの大切さを感じる。
先日、「脳メンテナンス大全(クリステン・ウィルミア/サラ・トーランド著 日経BP)」を読んだ。
脳には、ニューロンと呼ばれる神経細胞が1000億個以上あり、1個のニューロンは、シナプスと呼ばれる接合部を通じて他の数千個のニューロンとつながっていて、脳内に100兆以上の接続をもたらしているという。
人の脳が、「既知の宇宙で最も複雑な物体」と呼ばれるのもうなづける。
著者は、「何歳になっても、脳は変えられる」と語る。
そのための方法として「植物性食品をはじめとする脳にいい食事」「ウォーキングなど、有酸素運動といった脳にいい運動」について記されていたが、最も印象に残ったのは「脳にいい考え方」についてだった。
人は1日に6万の独立した思考をし、そのうちの90%は反復思考だという。
反復思考とは、過去の回想や未来の予想など、同じことを繰り返し考えること。
反復思考がネガティブな場合、ネガティブな神経回路がつくられ、脳に負担がかかり、自己嫌悪、不安症を引き起こすおそれもある。
では、ネガティブ思考を抑え、より健康になるためのポジティブ思考に変える方法とは何だろう。
読み進めるうちに疑問が湧いてきた。
そのための方法とは。
2つのキーワードが印象に残った。
それは、「自問」と「朝の日課」だ。
ネガテイブ思考を抱くたびに、「そんなことを考えてはいけない」と自分を否定するのではなく、ネガティブ思考を受け入れ、自問することが大切だと著者は語る。
なぜ自分や状況に対してネガティブになっているのか、と自問することが、ネガティブ思考をポジティブ思考に変えるきっかけを生む。
そして「朝の日課」だ。
朝をポジティブに始められれば、一日中ポジティブでいられる可能性が高いという。
確かに、活躍する企業経営者などは、朝の習慣を決め、例えば、読書や運動、瞑想など、どんなに忙しくても日課にしていると聞く。
「自問」と「朝の日課」
少し、自分自身の健康寿命と向き合う時間があってもいいかもしれない、
そう感じた。