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「住みたい街ランキング」から学んだ「引き算する勇気」の重要性

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3月3日、「首都圏住みたい街ランキング2022」が発表された。
住宅サイトSUUMOが1万人に調査したものだ。

1位は横浜、2位は吉祥寺、3位は大宮だった。
ランキングで、特に目を引いたのは、2021年の39位から16位へ急上昇した千葉県の「流山おおたかの森」だ。

いくつかのネット記事を読み、急上昇したポイントを考えてみた。

その大きな要因は、次のコンセプトだ。

「母になるなら、流山市

流山市には、明確なコンセプトを軸に街づくりをしている強みを感じた。
(個人的には男女限らず、“親になるなら、流山市”の方が良いかな、とも感じたが)

流山市は、コンセプトを軸に、同じベクトルに向けて一貫した施策を実行している。
仕事をしながら子育てできる環境づくりに全力で取り組んでいるのだ。

例えば、「駅ビルと指定保育所を結ぶバスが発着するステーション」。
出勤時に子どもを預けると、駅から保育所まではバスが送迎するという。
帰宅後も駅で子どもを迎えることができる利便性は、子育て世代にとって大きな魅力だ。

また、認可保育園の数も、2010年度の17園から100園以上と大幅に増加し、2021年の待機児童はゼロだという。

さらに、自然環境やショッピングセンターの充実など、「子育てのしやすさ」を叶えるための「取り組み」が満載だ。

ふと、「引き算する勇気(岩崎邦彦著/日経ビジネス人文庫)」を思い出した。

著者は、「引き算によって、本質的な価値が引き出され、人をひきつけることができる。引き算がチカラになる」と語る。

この本に記載されているとおり、例えば「自然と歴史の街」といった、どの地域にもあてはまるようなコンセプトでは、確かに人の心に刻まれないように思う。
取り組む側も、同じベクトルに向かってパワーを集中できない。

しっかりとした軸をもって「引き算」し、同じベクトルに向かって一貫した取り組みに集中する。
そこに大きなパワーが生まれるのだろう。

いくつかの他の企業のコンセプトも頭の中を駆けめぐる。

家庭でもなく会社でもない、第3のくつろぎの場を提供する「サードプレイス」をコンセプトとするスターバックス

広域情報を提供するインターネットに対して、「狭域情報を提供する」ことをコンセプトとするリクルートのホットペーパー。

バスのように身近で、あえて座席指定や機内食のない、短距離を迅速に行き来する「空飛ぶバス」をコンセプトとするサウスウエスト航空

「引き算する勇気」を持ち、コンセプトを起点にする。
そこから、何をやって何をやらないかという意思決定が湧いてくる。

このことは、ビジネスだけではなくて、普段の生活にも活かせるかもしれない。

引き算がチカラになる。

心に刻んでおきたい、そう感じた。