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コメダ珈琲の発展の秘密 2つのキーワード 〜「理念」と「現場」〜

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デロンギ・ジャパン株式会社が、10月1日の「コーヒーの日」に合わせて、「コロナ禍におけるコーヒーの飲用調査2021年度版」を行っていたことを知った。

全国の20〜69歳の男女(計400人)を対象に調査しているが、多くの人がコロナ禍の日常でコーヒーの味わいを楽しんでいることがわかった。

1日1杯以上コーヒーを飲んでいる人は84.6%。
1日2〜3杯飲む人が、1日1杯の人よりも多く、最多の36.5%。

私も、コロナ禍でコーヒーを飲む回数が増えた一人だ。

コーヒーの香りを思い浮かべていると、ふと、コメダ珈琲のネット記事を思い出した。

茶店チェーンを運営しているのは、1968年に加藤氏が創業した。コメダホールディングス
コメダ珈琲は、店員が席まで来て注文を受け、飲食を運ぶ「フルサービス形式」の喫茶店だ。

記事を読んで、コメダ珈琲の発展の秘密を自分なりに解釈した。

キーワードは、「理念」と「現場」だ。

【理念】
コメダ珈琲は「くつろぎの場の提供を最大価値とする“街のリビングルーム”」を理念に掲げる。
確かに店には何とも言えない温かい空気が流れていて、落ち着ける空間だ。

現社長の臼井社長は、こう語っている。

「経営の柱として、くつろぎで人と地域、社会をつなぎたい。店がお客様とつながり、地域のコミュニティーに良い影響を及ぼす地域のインフラになりたい」
「自社のみならず、ライバルと言われる企業と競争するのではなく、共創しながら、共に地域や社会に貢献したい」
と。

社会貢献への強い思いが印象的だった。

【現場】
コメダ珈琲は、店舗のほとんどがフランチャイズで、各店のオーナーの裁量が大きいのが特徴だ。
本部がマニュアルに基づき細かく指示するのではなく、地域のことを知るオーナーが、自分の判断で店舗を運営している、という。

本部は美味しいパンやコーヒーなどを各店に届けることに徹するが、提供するかどうかは各店に任せている。
価格設定も、実際にいくらで売るかはオーナー次第だ。

地域のオーナーだからこそできる、きめ細かなサービスや接客が最大の強みなのだ。

臼井社長は入社以来、毎週木曜日の朝は、店員の一人としてエプロンをつけて厨房に立っているらしい。

その臼井社長が、次の言葉を語っている。

「僕はもともと、誰かがあれこれ指導するという発想が大嫌い」

現場を大切にする人が、現場を最もよく知る人に、現場を任せる。

まさに現場第一主義だ。

シンプルで、大切な考え方だと共感する。

「理念」と「現場」

あらためて意識したいキーワードだと感じた。

ところで、10月1日は、なぜ「コーヒーの日」なのだろう、と素朴な疑問を持った。

その日は、世界一のコーヒー生産国であるブラジルが関わっていることを知った。

ブラジルではコーヒーの収穫・出荷のサイクルとして、10月1日から翌年の9月末日までを1年度としている。
そのため、コーヒー国際機関が、10月1日を「国際コーヒーの日」として2014年に制定したのだった。

ただ、次が面白い。

「国際コーヒーの日」が制定されるおよそ30年前の1983年に、既に全日本コーヒー協会は同じ理由で、10月1日を「コーヒーの日」として制定していたという。

「国際コーヒーの日」が制定された当時、日本は、国際コーヒー機関に加盟していなかった。
日本が主張したわけでなかったが、同じ日に制定されたのだった。

日本と世界。
国や地域を問わず、人の心理の共通性を感じる。

くつろぎで、人と地域、さらには世界がつながっていく。
競争ではなく、共創しながら世界の温かいコミュニティーが広がっていく。

その当事者として、自分のできることを考えたい。
1杯のコーヒーを飲みながら。