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人の心に一灯をともす 陶芸家 河井寛次郎の言葉。

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先日、人間学が学べる「致知(7月号)」を読んだ。

そこには、陶芸家 河井寛次郎の残した言葉ついて綴られていた。(河井寛次郎記念館学芸員 鷺珠江 著)

一度、京都の河井寛次郎記念館に足を運んだことがある。
静寂な空間の中に置かれた、素晴らしい作品の数々。
説明書きもほとんどなく、自由を尊重する寛次郎らしい落ち着いた環境だった。

寛次郎は、心に響く多くの言葉を残している。

今回の致知には、私の好きな言葉がいくつか紹介されていた。

「暮らしが仕事 仕事が暮らし」
住居が仕事場であり、仕事場が住居であったため、寛次郎にとって仕事も暮らしも渾然一体でした。


寛次郎の次元や境地には程遠いが、コロナ禍でのリモートワーク中心の働き方になって、ふと思うときがある。
日常生活の中で仕事をすることは、非常に意義深いことなのではないか、と。
仕事場と暮らしが物理的に離れているのが当たり前だったこれまで。
今、暮らしの側から、いや、暮らしと仕事が渾然一体となった自分自身の中から生み出す可能性にチャレンジしたい、と思う。

「鳥が選んだ枝 枝が待ってゐた鳥」
私たちは枝を選ぶ鳥は見えても、なかなか鳥を待つ枝には思いが至りません。
寛次郎は物事の両面性、多面性を問う人でもありました。


時々、この言葉を思い出す。
ついつい近視眼的に、同じ方向からしか見ていない、思考していないことがある。
多面的に、本質的に物事を捉える自分でいたい。

「新しい自分が見たいのだ 仕事する」
この寛次郎の言葉もよく知られていますが、自分で自分を束縛せず、常に新しい世界を探求し続けたのです。


いつもこの言葉に勇気づけられる。
自分の可能性を信じよう。
自分の可能性に蓋をしないでおこう、と。

数多くの本を書かれている ソフィアバンク代表 田坂広志さんの言葉が思い出される。

仕事の報酬とは何か。
それは、成長である、と。

仕事を通じて、日々成長し、自分の可能性を広げ、新しい自分を発見し続けたい。

オンライン英会話学習を始めて2年。今、実感している大切なこと。

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オンライン英会話学習を始めて2年がたった。

やってみて、今だから実感していること。
それは、「自己承認を意識すること」との大切さだ。

2年学習を続けたら、もっと上手に話せてると思っていたんじゃないか。
知らず知らず自分に問いかけていることに気がつく。

映画を観ててもスラスラ理解できて、話たいこともドンドン表現できて・・・。
でも現実は、違う。
フーッとため息が出る。
もうやめようかな・・・。
そんなことも考えたりした。

でもここで、以前の自分を意識して思い出してみた。
思いつくままに、ノートに書いてみた。

目の前に外人の講師がいるだけで、ヒア汗がでてきていた自分。
簡単な挨拶程度の単語で話しかけられても、アタフタしていた自分。
緊張でほとんど単語が思い出せず、「アーアーアー」を連発していた自分。
ある程度の分量のヒアリングになると、まったく思考が止まっていた自分。

あれっ。
今はどうだろう。

目の前の外人の講師に、ほとんど動じていない自分がいる。
スラスラではないけど、聞き直しながらでも理解できている自分がいる。
何とか知っている単語を使いながら、話している自分がいる。

できていないことよりも、少しでも成長できている自分に目を向けること。
自分の小さな一歩をノートに書き留めて、「いいこと探し」をしてみること。

「自己承認」

それは、途中で諦めないで、自分の可能性を広げてくれるもの。
自分を認め、褒め、励ます「自己承認」
それは、学び続けるための、より良い人生を送るための大切な行動なのかもしれない。

以前、中田さんがユーチューブ大学で、「英語で日記をつける」ことの大切さを語っていた。

今、オンライン学習と同時に、そのチャレンジも始めた。

「やめようかな」という気持ちから「チャレンジしてみよう」への気持ちへの変化。
そのポイントは「自己承認」だった。

コロナ禍で成果をあげるために「リーダーが持つべき価値観」とは

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コロナ禍で、リモートワークが進んでいる。

『職場の「感情」論(相原孝夫著/日経BP)』という書籍に、
リモートワークに関する一橋大学イノベーション研究センターの調査結果が記されていた。

在宅勤務が進む中で
「仕事上でのストレスを抱える従業員が増えた」と約60%の企業が回答し、
「従業員への意思伝達が難しくなった」「従業員同士の意思疎通が難しくなった」も
共に50%を超えたという結果だ。


リモートワークで
通勤がなくなり時間を有効活用できる
仕事に集中できる
・・・など、大きなメリットも感じる。

一方で、
雑談も減少し、
ちょっとした対話や相談事もできにくくなっていることも確かだ。

ただ、この本には、次のことも書かれていて、興味深い。

リモートワークで顕在化した諸問題は、新たに発生したものばかりではない。
そのほとんどは、もともとあった職場の問題であり、
リモートワークの移行に伴って顕在化したのだ、と。
さらには、「心理的安全性」が確保されたチームであれば、
突然リモートになっても、意思疎通に支障をきたす可能性は低い、
とも綴られている。


そう、「心理的安全性」。

以前、ネットでの対談記事で、脳科学者の茂木健一郎氏が、
Googleのリサーチチームの出した調査結果を紹介していた。

そこでは、チームの効果を最大化するためには心理的安全性が
最も重要なことの一つである、という結果について語られていた。

社員のスキルが高いことや、社員同士が気が合う、ということではなく、
心理的安全性」こそ重要なのだ、と。


「このチームなら失敗したりネガティブなことをしても受け容れてもらえる、
安心できる」と感じられれば、様々なことにチャレンジできる。
私も、リーダー経験から、そのことを強く実感している。

では、「心理的安全性」のあるチームづくりで大切なことは何だろう。
私は、まずリーダーが、
メンバーの存在に心から感謝すること。
メンバーの気持ちに寄り添うこと。
メンバーのチャレンジを承認すること。

そして何より、「人」を中心としたマネジメントを行い、
メンバーを成果のための手段としてではなく、
「メンバーの幸せ・やる気・成長」こそが成果を生み出すという、
揺るぎない価値観を持つことだと思う。

業績をV字回復させたリーダーシップの秘密〜情緒的価値を大切にする〜

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先日、「消臭力」などで知られる日用品メーカー、エステーの女性社長、鈴木社長の記事(NIKKEI STYLE)を読んだ。

創業者から受け継ぎ、業績をV字回復させたリーダーシップの秘密に迫っていた。

鈴木社長は、社員を奮い立たせる言葉を持つリーダーを目指したと語る。
人の心を奮い立たせるには、誰にでも理解できるシンプルな言葉とロジック、
そして何度でも繰り返して言うことが大切なのだ、と。
私も長いビジネス経験で、言葉の持つ力を実感している。

特に印象に残ったメッセージが記されていた。

「特に私たちの商品の顧客の7、8割は女性なので、その女性たちに寄り添うということを考える必要があります。女性目線でいい商品とは何か。例えば、パッケージに「大容量」とか書いてしまうのはどうなのかと。それで女性は引かれるでしょうか。量が多いことよりも、香りで癒されるとか優雅な気持ちになれるといったことを女性たちは求めているのではないかと私はそう考えました。当時、エステーの商品に一番欠けていたのはそうした情緒的価値でした。でもそれを社員に言っても、「何が悪いんですか」とまったく話がかみ合いませんでした」

そう、人の心、情緒的価値だ。

経営には、戦略・戦術の構築、市場調査、制度や仕組みづくり、コスト管理など、大切なことがたくさんある。
ただ、中でも非常に大切なのは、これまでの常識にとらわれないで、顧客に寄り添い、顧客の気持ちになって、何が本質なのかを考えることではないか。
そして、その上で、物事をシンプルに発想して、やるべきことを具体的に実行することではないか、と思う。

人が喜びを感じる、幸せに感じる、その瞬間を見逃さないでいたい。
形には見えない情緒的価値。
そういう視点で、今の仕事を見つめ直したい。

気分が落ち込んだときに読みかえす「2冊の素敵な本」

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気分が落ち込んだときに、読みかえす2冊の本がある。

そして、その本の中でも、同じフレーズが、とくに気になっている。

その一冊は、「生きよう今日も喜んで(平澤興 著/致知出版社)」。
著者の平澤先生は、生前、京都大学総長で、偉大な教育者・医学者であられた。

・とにかく生きるということは、平凡のようで奇跡中の奇跡である。
・まず以て今日一日この奇跡を生きる命を与えられたことに感謝しよう。
・人生に望ましいのは失敗や困難がないということではなく、決してそれに負けない、ということである。


いつもこのメッセージから、生きる勇気と感謝の心が湧いてくる。

この世に生まれた奇跡と、生きていることに感謝する。
寝ている間も、知らぬ間にいろいろな内臓が働いてくれている。

人は、どうしようもないことに悩み、ストレスをため、自分を傷つけてしまっていることが、あまりに多いのではないだろうか。

この本のおかげで、「ありがとう」を言葉に出すことが多くなった気がする。
いや、あえて、これまでの「すみません」を「ありがとう」に変えている。
気分が落ち込んだときに、「ありがとう」をつぶやいている。

人への、そして自分への「ありがとう」の言葉は、自分の心に安らぎを与え、明るさを提供してくれる。

言葉の力は偉大だ、と感じる。

もう一冊は、「人生のプロジェクト(山﨑拓巳 著/SANCTUARY BOOKS)」
詩のようなシンプルで素敵な文章が、世界の子どもたちの顔写真とともに、心にしみてくる。

・自分は何がしたいのか。どうなりたいのか。ココロがおどり、ワクワクさせてくれるものは何か。いつも自分自身に聞き続けることで、ビジョンは自然と見えてくる。
・段取りによってデザインされた小さな一日が、奇跡のような未来につながっている。
・めざすとがんばるは違う。がんばっているが、めざしていない時がある。この違いは見分けにくいが大きく違う。めざすとは、目標と期限が明確で、その達成のために意思をもって行動することである。


この本の出会いで、自分のしたいことを思うままにノートに書くようになった。
書くことで、自分の頭をスッキリと整理できる。

そして、ビジョンに向かって、チャレンジすることの喜びを強く感じるようになった。
自分で自分の可能性に蓋をしないでおこう。

50歳を過ぎてから、オンライン英会話を始め、早朝ウォーキングに目覚め、ブログにチャレンジしている。

まだまだ、したいことが、溢れ出てきている。
すべては自分のココロ次第。

そう思えるようになった。

コロナ禍で「子育て」について考える。「学びを止めない」と「学びが止まらない」

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今、コロナ禍で、オンライン学習にチャレンジする学校や塾が多い。
文部科学省は、子どもたちの学びを保証するため、一人一台の学習用端末を活用するなどしたICT教育の推進を呼びかけている。
オンライン学習と対面学習を組み合わせる方向性を打ち出した行政の地域では、プリント学習中心の学校も増えている。

子どもたちの学びを止めないこと、それは今、非常に大切な取り組みだと思う。
未来を担う子どもたちの学びの機会の提供は、優先度の高い課題と言える。

一方、そもそもの「学びの本質」や「子育てで大切なこと」について考えることも、同時に今、すごく大事なような気がする。

これからの未来社会で、子どもたちにどんな力が必要なのだろうか。
目指したい人材像を育むための一貫した手段・方法とは何だろうか。
オンライン学習などの方法は大切だけど、あくまで手段。
今特に、目的と手段を混同しないことが重要だと感じる。

先日、「自由進度学習のはじめかた(蓑手章吾著/学陽書房)」という本を読んだ。
その時、「子どもが自ら学び出す!」という文字が目に飛び込んできた。

この本を読んで、あらためて自分に問いかけた。

「学び」は本来楽しいものではないんだろうか。
「子どもたちの学ぶ力」「子どもたちがもっている可能性」を信じきっているだろうか。
子どもたちの学ぶ意欲や好奇心を、逆に失わせてしまってないだろうか。

そして、子育てで、大切にしたいことが浮かんできた。

「わが子の学ぶ力を信じる」ことから始めたい。
そして、「わが子が自ら学び出す」「学びが止まらない」そのための環境づくりを考えたい。

これからの未来社会で大切な力とは何だろう。今一度、自分に問いかけてみる。

自ら学び続け、自分の人生を自分の力で切り拓くことのできる力。
人と協働しながら、地球社会に貢献できる力。
・・・

これらの力は、不確実で先行きの見えない未来社会に必要な力だと感じる。

そのためにも、わが子のもっている「自ら学ぶ力」を引き出す子育てを考えたい。

連休中、人生・仕事について考えたい人にオススメの一冊。「仕事の哲学(P.F.ドラッカー著/ダイヤモンド社)

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連休中、人生や仕事について、あらためて考えたい人にオススメの一冊をご紹介しよう。

その本は、「仕事の哲学(P.F.ドラッカー著/ダイヤモンド社)」。

2003年に書かれた本だが、普遍的な内容で、「私の人生・仕事のバイブル」でもある。

内容を一部抜粋してみよう。

・今日でも私は「何によって人に憶えられたいか」を自らに問い続ける。これは自らの成長を促す問いである。なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として見るよう仕向けてくれるからである。
・自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任をもつがゆえに、自由となる。
・貢献に焦点を合わせることによって、自らの専門分野だけでなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。
・何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行なうことはできない。
・誰もが、自分の強みをよくわかっていると思う。しかし、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。
・何かをすることに決めたら、何を期待するかを書きとめる。九か月後、一年後に結果と照合する。私自身これを五〇年続けている。そのたびに驚かされる。誰もが驚かされる。こうして自らの強みが明らかになる。自らについて知りうることのうち、この強みこそ最も重要である。
・時間は、最も希少な資源である。しかも、時間を管理できなければ、何も管理できない。
・成果をあげる者は、仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間が取られているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして最後に、得られた自由な時間を大きくまとめる。
・歴史上初めて、人間のほうが組織よりも長寿になった。そこでまったく新しい問題が生まれた。第二の人生をどうするかである。
・第二の人生をもつには、一つだけ条件がある。本格的に踏みきるかなり前から助走しなければならない。

大量生産革命が起きた20世紀の時代は、システムが主役の時代。
今の知識社会では、システムではなく、個たる人間が主役である、とP.F.ドラッカーは語る。

本に記されているテーマの中で、特に、「成長」「貢献」「強み」「時間管理」「第二の人生」のキーワードが印象に残った。

P.F.ドラッカーが、共通して問いかけているものは何だろうか。

それは、「自分自身は、どう生きたいのか」「自分自身は何をしたいのか」

そのように感じた。

自分を知り、自分の強みを活かしながら、人生を生きていきたい。