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業績をV字回復させたリーダーシップの秘密〜情緒的価値を大切にする〜

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先日、「消臭力」などで知られる日用品メーカー、エステーの女性社長、鈴木社長の記事(NIKKEI STYLE)を読んだ。

創業者から受け継ぎ、業績をV字回復させたリーダーシップの秘密に迫っていた。

鈴木社長は、社員を奮い立たせる言葉を持つリーダーを目指したと語る。
人の心を奮い立たせるには、誰にでも理解できるシンプルな言葉とロジック、
そして何度でも繰り返して言うことが大切なのだ、と。
私も長いビジネス経験で、言葉の持つ力を実感している。

特に印象に残ったメッセージが記されていた。

「特に私たちの商品の顧客の7、8割は女性なので、その女性たちに寄り添うということを考える必要があります。女性目線でいい商品とは何か。例えば、パッケージに「大容量」とか書いてしまうのはどうなのかと。それで女性は引かれるでしょうか。量が多いことよりも、香りで癒されるとか優雅な気持ちになれるといったことを女性たちは求めているのではないかと私はそう考えました。当時、エステーの商品に一番欠けていたのはそうした情緒的価値でした。でもそれを社員に言っても、「何が悪いんですか」とまったく話がかみ合いませんでした」

そう、人の心、情緒的価値だ。

経営には、戦略・戦術の構築、市場調査、制度や仕組みづくり、コスト管理など、大切なことがたくさんある。
ただ、中でも非常に大切なのは、これまでの常識にとらわれないで、顧客に寄り添い、顧客の気持ちになって、何が本質なのかを考えることではないか。
そして、その上で、物事をシンプルに発想して、やるべきことを具体的に実行することではないか、と思う。

人が喜びを感じる、幸せに感じる、その瞬間を見逃さないでいたい。
形には見えない情緒的価値。
そういう視点で、今の仕事を見つめ直したい。