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「こどもの日」に考える「上手な勉強法」

 

今日は「こどもの日」だ。

国民の祝日に関する法律では、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」とある。
母親を慈しむ日でもあるというのは、意外と知られていない気がする。

先日、「上手な勉強の方法がわからない、という悩みを抱える子どもが約7割。この3年間で増加した」というネット記事を読んだ。
東京大学とベネッセ教育総合研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査」によるもので、コロナ禍での生活の変化や混乱が背景にあると分析している。
「学習時間の長さと成績との相関関係は弱い」という調査結果も興味深かった。

では、「上手な勉強法」とは、一体どんな方法なんだろう。


「シンプルな勉強法(河野玄斗著/KADOKAWA)」には、東京大学医学部在学中に司法試験を一発合格した著者が、具体的、論理的に勉強の仕方について綴っている。

特に印象に残ったキーワードは「逆算勉強法」だ。

勉強を楽しむために目標と期限を決め、そのためのスケジュールを立て、進捗を確認する。
まさに「時間の有効活用」の重要性を説く。

経営思想家のドラッカー氏も、常々、「時間」について語っていた。
成果を上げるための秘訣は集中。
そのために仕事からスタートしない。
時間からスタートする。

そして、そのために時間を記録し、管理し、まとめる。
時間を大きなまとまりにして、最も大事なことに活用するのだ、と。

なるほど。

時間に追われるのではなく、時間をデザインする。

仕事の仕方も勉強の仕方も本質は同じだ。
どちらも楽しむために、チャレンジしたい。

夢を叶えるために「修正力」を意識する

 

米国との決勝戦で勝利し、3大会ぶりに世界一に輝いたWBCの記憶は、今も鮮明に残る。
その後の米大リーグでの大谷選手の活躍もめざましい。

今季初勝利した試合でも、大谷選手の力を実感した。
それは、「修正力」だ。

今年、新しく導入されたピッチクロック。
投手の投球間隔を制限し、試合時間の短縮を目的とする新ルールだ。

ピッチクロックにまだ慣れていない大谷選手は、先制を許した直後の1回1死2塁、4番ローリー選手を迎えた場面で初めてピッチクロックの違反をとられ、自動的に1ボールが追加されてしまった。

この後、無事、ピンチを切り抜けた大谷選手がとった行動が印象的だった。
球審に質問し、ルールに関する疑問点を解消し、修正力を発揮した。
その後は、投球への集中力をさらに高めたようにも感じた。

大谷選手の気持ちの切り替え、冷静さ、そして修正力が、一つひとつの結果を生んでいるように思う。

「結果を出す人は修正力がすごい!(大西みつる著/三笠書房)」には、修正力の大切さが説かれている。

修正力とは、最高の結果を手に入れるための「自分を柔軟に変える力」であり、「理想と現実を埋める力」と筆者は語る。

特に、具体的に意識したいことは、PDCA(仮説ー実践ー検証ーアクション」の「C(検証)」から始めること。

「できたことは、なぜできたのだろう」
「うまくいかなかったことは、どうしたらできるようになるだろう」
少し立ち止まって、自分自身に問い、ノートに書き出してみる。

修正を自分自身の成長する機会と捉えて、小さな修正の繰り返しで、大きな夢に近づいていきたい。

WBCからTEAM(チーム)の大切さを考える

 

11日、ワールド・ベースボール・クラシックWBC)の1次ラウンドで、日本代表はチェコに勝利し、3連勝を飾った。
侍ジャパンのチーム力が試合ごとに増している、そう感じた。

先日の読売新聞の編集手帳に、プロ野球の名将・野村克也氏が選手に伝えたTEAM(チーム)の語源説が紹介されていた。

それは、「Together(一緒に)」「Everyone(みんなで)」「Achievement(達成する)」「More(より多くの)」というものだった。

なるほど。
説得力を感じながら、以前に読んだ「最強チームをつくる方法(ダニエル・コイル著/かんき出版)」を思いだした。

特に、チーム作りで必要な3つのキーワードが印象的で、それは、「安全な環境」「弱さの開示」「共通の目標」。

また、良いチームの特有のパターンも紹介されていた。

仲のいいグループだけではないメンバー全員の会話や雑談。
アイコンタクトや互いの質問の多さ。
ユーモアや笑い。
「ありがとう」の自然な発言。
・・・などだ。

一つひとつの習慣や振る舞いが、今の侍ジャパンチームに通じる気がする。

そして、安全な環境のためには、やはりリーダーの考え方や姿勢が大切だと感じた。

中でも特に心に残ったのは、リーダーも自身の弱さを認め、メンバーの力や助けが必要だということを繰り返し共有する、ということ。
チームの目的や目標、価値観を明確にすること。

ここは安心、安全で、ここなら私は頑張れる、と思える環境づくりが、メンバーの心に灯をつけ、萎縮ではなく果敢なチャレンジに繋がるのだろう。

名将だった野村氏は、監督時代、次のようにも語っていた。

「信じてくれる人のもとでこそ、能力は発揮される」
と。

ニューバランスからの学び〜「好き」が人生をつくる〜


今年も、桜の開花が間近になってきた。
早朝ウォーキングにも自然と気持ちが高ぶる。

ウォーキングと言えば、いつもスニーカーの「ニューバランス」にお世話になっている。
初めて履いたときの感動は、忘れられない。
軽くて、履き心地の良さが衝撃的だった。
そして今も、「歩きたくなる」気持ちにしてくれる。

先日のカンブリア宮殿は、「ニューバランス」だった。
その番組で、矯正履のメーカーとして1906年に誕生したことを知った。

社名は、矯正履の中にインソールを入れて、今まで歩けなかった人をサポートする、という「新しい(new)、バランス(balance)」の提供を由来とする。

なるほど。

だから、子どもからシニアまで、幅広い層から支持されているのかもしれない。

日本法人の久保田社長のストーリーも興味深い。

中学生の時、ニューバランスのクッションの良さにカルチャーショックを覚え、熱烈なファンとなった久保田少年。
カタログが欲しくて、ちょうどニューバランスの本部の社員と会うことになった靴メーカー月星化成に勤める父親に英語での手紙を託した。

この「好き」から生まれる行動の一歩が、人生をつくることになる。

企画開発担当者だったエドノートンから、カタログとともに手紙の返事が届き、それ以来、9年も文通が続いた。

そして、ニューバランスへの「好き」という感情が、高校時代には「ニューバランスでシューズをつくりたい」という夢に。
さらに夢は目標へと変わり、関西外国語大学で英語を習得し、ニューバランスに入社する。
その後、マーケティング部門、アメリカ本社勤務を経て、ついに日本法人の社長になったのだ。

あらためて、「強く想うことは実現する」というイギリスの作家だったジェームズ・アレンの言葉が思い浮かんだ。

「実現したい」という強い想いの根底には、「大好きが止まらない」という感情がある気がする。

番組の最後に、司会者の村上龍氏が、「もし、ニューバランスという靴がこの世になかったら、今どうしてましたか」と質問した。

久保田社長の答えは、「考えたことがありません」という返事だった。

ニューバランス愛を感じる一言だった。

「小さな目標」から「満足感」、そして「夢」へ



新たな年がスタートし、新たな目標を掲げ、取り組んでいる人も多いのでは、と思う。

「目標」について考える時、「人生のプロジェクト(山﨑拓巳著/SANCTUARYBOOKS)」
の一節を思い出す。

「毎日を楽しむためには、目標までの期限を決めてしまうことだ。
期限が決まれば予定が組める。
予定が決まれば、今やるべきことが見える。
夢をかなえるまでのプロセスは単純だ。
間に合わないことがあっても、できないことはなにもない。」

さらに、著者は、こう語る。

「富士山にのぼろう、じゃあいまいすぎる。
五合目までのぼるか、頂上までのぼるか。
めざす場所によって段取りと装備が変わってくる」

自分は、何をめざしたいんだろうか。
目標を、人生を楽しむために設定しているだろうか。
あらためて自分に問いたい。

「一日一話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書(藤尾秀昭著/致知出版社)」に、料理評論家の山本益博氏の話が掲載されている。
プロ野球選手イチローについての内容だが、特に、目標について語るイチローの言葉が印象的だ。

「目標は高く持たないといけないんですけど、あまりにも高過ぎると挫折してしまう。
だから、小さくとも自分で設定した目標を一つひとつクリアして満足する。
それを積み重ねていけば、いつか夢のような境地に辿り着く」

さらに、別のインタビュー記事でのイチローの言葉も紹介されている。

「小さなことを重ねることがとんでもないところへ行く唯一つの道」

自分にちょうど合った小さな目標は大きな力になる、そう感じた。
目標で、満足感や達成感を積み重ねながら、人生を楽しんでいきたい。

「不眠解消法」と「あきらめる」と「跳躍」



昨年、「2022年の世相を表す漢字」に「戦」が選ばれ、森清範貫主清水寺で揮毫した。
公益財団法人「日本漢字検定協会」が公募し、総数22万3768票のうち「戦」が最多の1万804票を集めた。
戦争の恐怖や不安のほか、新型コロナや物価高といった生活に身近な戦い、サッカーのワールドカップ日本代表の熱戦などを理由に挙げる人が多かったようだ。
貫主は、「一刻も早く戦が終わり、皆が心安らかに日々を送れる年になってほしい」と語った。

本当にそう願うばかりだ。

今、睡眠の質の向上をうたう機能性表示食品「ヤクルト1000」の売れ行きが好調らしい。
スマホのアプリを使った睡眠改善プログラムなど、「睡眠市場」の活況が続いている。
ストレスで、深い眠りを妨げられる人が増えているのだろう。

「あきらめると、うまくいく(藤野智哉著/ワニブックス)」には、精神科医の著者が、頑張りすぎる人へのメッセージを綴っている。

あきらめるとは、あるがままの自分を受け入れること。
あきらめるとは、自分の気持ちを明らかにして、心軽やかに生きること。

「こうあるべきだ」という理想が高すぎて、自分を自分で追い込んでしまう人も多いのではないだろうか。

あきらめるとは、決してネガテイブな言葉ではない。
完璧ではない自分を許し、自分を好きでいよう・・そういうメッセージだと受け止めた。

不眠も「治ることをあきらめることで、治ることもある」のかもしれない。

今年は、うさぎ年。
ぴょんぴょんと跳ねまわる姿から、「跳躍」を意味する縁起物だとされている。

2023年も、あるがままの自分を受け入れ、自分のペースで「跳躍」できる1年にしよう
・・そう感じた。

「メンタル」と「言葉の力」と「インプット」

第71回日本スポーツ賞の大賞に、スピードスケートの高木美帆選手が選ばれた。
スキージャンプの小林陵侑選手とサッカー・ワールドカップ日本代表チームは、それぞれオリンピック特別賞、特別賞に。
高木選手は「アスリートとして速くなりたい、速く滑りたいという思いがスケートを続ける原動力だ」と語る。

今年もスポーツから数々の感動をもらった。
同時に、メンタルはどうすれば強くなるのか、と疑問に感じる人も多いのではないだろうか。

「言葉によって人は勇気を得たり、自信を失ったり、惑わされたりする。言葉には大きな力がある」と強調する専修大スポーツ研究所の佐藤雅幸教授(スポーツ心理学)の記事を読んだ。

「人は無意識に自分自身に多くの言葉をかけていて、多くはネガテイブに考えがち。その時のポイントが、少しのポジティブの思考に火をつけること」だという。

ポジティブな思考に火をつける。

その具体的な方法のひとつが、接続詞「but」の活用だ。
例えば、「もう勝てない」と思った瞬間、「追い込まれた『けれど』、まだ負けてない。逆転のチャンスはある」と、ポジティブな言葉を自分に投げかける。

なるほど。

他人からの言葉はコントロールできないが、自分へのセルフトークは自由自在だ。
言葉の力を再認識した。

先日、「本日は、お日柄もよく(原田マハ著/徳間文庫)」を読んだ。
OLの主人公が、言葉の力に魅了され、スピーチライターという職業に就くまでの小説だ。

心に響く数々の言葉が綴られている。
その中で特に印象に残るフレーズがあった。

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」

とまらない涙はない。乾かない涙もない。人は皆、そうできている。大丈夫・・・。

言葉の力を磨くために、素敵な言葉をインプットしていくといいかもしれない。