第71回日本スポーツ賞の大賞に、スピードスケートの高木美帆選手が選ばれた。
スキージャンプの小林陵侑選手とサッカー・ワールドカップ日本代表チームは、それぞれオリンピック特別賞、特別賞に。
高木選手は「アスリートとして速くなりたい、速く滑りたいという思いがスケートを続ける原動力だ」と語る。
今年もスポーツから数々の感動をもらった。
同時に、メンタルはどうすれば強くなるのか、と疑問に感じる人も多いのではないだろうか。
「言葉によって人は勇気を得たり、自信を失ったり、惑わされたりする。言葉には大きな力がある」と強調する専修大スポーツ研究所の佐藤雅幸教授(スポーツ心理学)の記事を読んだ。
「人は無意識に自分自身に多くの言葉をかけていて、多くはネガテイブに考えがち。その時のポイントが、少しのポジティブの思考に火をつけること」だという。
ポジティブな思考に火をつける。
その具体的な方法のひとつが、接続詞「but」の活用だ。
例えば、「もう勝てない」と思った瞬間、「追い込まれた『けれど』、まだ負けてない。逆転のチャンスはある」と、ポジティブな言葉を自分に投げかける。
なるほど。
他人からの言葉はコントロールできないが、自分へのセルフトークは自由自在だ。
言葉の力を再認識した。
先日、「本日は、お日柄もよく(原田マハ著/徳間文庫)」を読んだ。
OLの主人公が、言葉の力に魅了され、スピーチライターという職業に就くまでの小説だ。
心に響く数々の言葉が綴られている。
その中で特に印象に残るフレーズがあった。
「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」
とまらない涙はない。乾かない涙もない。人は皆、そうできている。大丈夫・・・。
言葉の力を磨くために、素敵な言葉をインプットしていくといいかもしれない。