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チームビジョン・目標の達成のためのリーダーの役割 〜メンバーへの有効なアドバイス 3つのポイント〜

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「チームビジョン・目標の達成のためのリーダーの役割」と「メンバーへの有効なアドバイスとしての3つのポイント」について紹介します。

 

 


1.   リーダーの役割


チームビジョン・目標の達成のためのリーダーの役割として大切なことは、「メンバーの成長を導く」ことだと思います。

では、「メンバーの成長」とは何でしょうか。

さまざまな大切な観点があると思いますが、ここでは特に「メンバーの自走する力を育む」という観点で紹介したいと思います。

以前もお話しましたが、私は「自走する力」とは、「チームビジョン・目標の実現のために、メンバー自身が自分のビジョン・目標を描き、その実現のための仮説を設定し、その仮説のもと実践し、その実践を振り返り、さらにブラシュアップしたビジョン・目標を描いていく」という一連のサイクルをスパイラル的に自分で回していける力だと考えています。


そして私は「自走する力を育む」ために、メンバーに、以下の項目だけを提示して、90日毎にメンバーに自由にシートに書いてもらい、そのシートをもとに個別にアドバイスしたり、メンバー同士で学び合う場を設けています。

・1年後のビジョン(実現したい状態イメージ)と目標
・90日後のビジョンと目標
・90日後のビジョンと目標のための仮説と計画
・90日の実践
・90日の振り返り・検証
・次の90日のビジョンと目標

ここで、大切なことを添えておきます。
それは、このシートをもとに個別にアドバイスしたり、メンバー同士で学び合う場を設ける時に、リーダーは意識して「メンバーを承認する」ということです。

メンバーは一人ひとり、いつも頑張っています。
頑張っているけれど、仕事に追われたり、何から手をつければ良いかわからなくなったり、暗闇に入ってしまって希望の光が見えなくなったり・・・してしまいます。
でも、必ず、少しでも前進していることや、前の90日にはなかった意識が芽生えていたり・・・と、承認することはたくさんあります。
「なぜ、できたのか」「なぜ、少しでも前進できたのか」を学び合うことは、「できなかったこと」を学び合うよりも、はるかに効果が高まり、創発し合えると思います。

そして、このように、リーダーとして多くの社員・メンバーと接してきて、一連のサイクルを回す時に、共通した悩みや課題があることに気づきました。
それは、ビジョン・目標の実現に向けた「仮説ー実践ー検証」サイクルの「検証の仕方」です。
そして、「検証の仕方」の中でも、「メンバーへの有効なアドバイスとしての3つのポイント」が見えてきました。


2.   メンバーへの有効なアドバイス 3つのポイント


①検証しやすい仮説を立てる


「 検証が苦手なんです」
「いつも、仮説・計画を立てて実践する、の繰り返しです」
といった声をメンバーからよく耳にしました。

よくよく、メンバーの書いた「シート」を見てみると、「実践の徹底度が足りなかった」などの「抽象的な内容」の検証が多いように感じています。
これを解決するポイントとして、そもそもの話になりますが、「検証しやすい仮説を立てる」ということが有効だと思います。
そして、検証しやすい仮説にするために、仮説に「期限」と「数値」を入れる、ということがポイントだと思います。

例えば、「1ヶ月間、1日20件のオンラインを含めた営業訪問を行えば、業績が120%達成できるのではないか」という仮説を立てる、というように、期限と数値を意識して入れていきます。(わかりやすくするために、大雑把な例にしています)
そうすると「1日20件できたのか」「なぜ20件できたのか」などと、この仮説に基づき、実践したことを検証するようになり、抽象的な言葉が減っていきます。


②言葉を細分化し、書く練習をする


さらに、「言葉を細分化し、書く練習をする」ことがポイントです。
上の①で紹介した「仮説に期限と数値を入れる」ことで、検証はかなり具体化していくと思いますが、さらに、日頃から「言葉を細分化し、書く練習をする」と、検証は、より明確になっていきます。
そうすると、検証を行う結果、自分ができたこと、頑張ったことが鮮明に見えてくるようになり、やる気が湧いてきます。

ここが大事だと思うのです。

一連のサイクルを回したり、中でも、検証する目的は、「手応えを持ち、自分のやる気につなげること」という意識を持つことが大切ですね。

上の例から考えてみましょう。
「1ヶ月間、1日20件のオンラインを含めた営業訪問を行えば、業績が120%達成できるのではないか」という仮説通りの実績が得られたとして、最初に訪問件数について検証したとしましょう。
・1日20件の訪問は、なぜできたのだろうか。
・スケジュールの立て方を変えたから?
・スケジュールの立て方をどのように変えたから、訪問できたのだろう?
・訪問方法を変えたことが訪問件数の増加につなげることができたのだろうか?
・・・。
と、言葉を曖昧にしないで、なるべく細分化しながら、より深く書き留めていきます。

私は、先ほど、メンバーにシートを書いてもらう、という話をしましたが、頭の中で思い描くだけよりも、実際に書き留めていく方が、曖昧さがなくなって良いように思います。
「実践したこと、できたこと、なぜできたか」がわかり、それがどんどんと増えていく、という実感をメンバーに持ってもらうことがリーダーとして大切な役割なのだと思います。


③成果、課題を次のビジョン・目標につなげる


具体的な「検証」ができれば、次のビジョン・目標につなげることがポイントです。
折角、検証しても、次につなげることを意識していなかった、という話も、よく耳にします。
私は、検証した結果、次の思考が大切だと思います。

・ビジョン・目標の実現に向けて、今回の90日の仮説・計画の内容そのままで、次の90日に進んで良いのだろうか。
・それとも、仮説・計画を軌道修正した方が良いだろうか。
・そもそも、この計画の一部はやめて、時間にゆとりを持たせた方が良いだろうか。
・実践度を高めるための工夫が必要だろうか。
・そもそも、ビジョン・目標の描き方、実現したい状態イメージを変えるべきだろうか。

等、検証に基づいて、次の90日に向けて見直していくことが重要だと思います。

私は、年度計画を確実に進める、という考え方もあると思いますが、時代の変化が早い今、実践しきったということを前提にして、常に必要に応じ「ビジョン・目標」や「仮説・計画」を軌道修正する、という思考を持つことが重要だと思います。

軌道修正は、成長そのものだと思っています。
常に、よりよいものを追求する気持ち、チャレンジ精神が、メンバーの成長につながり、ひいいては、チームの成長、結果としての実績の向上につながる、と思います。


以前に書いた記事をご紹介します。
よろしければ、ご覧ください。