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「世界最高齢の太平洋横断」と「養生訓」と「人と人との交流」



海洋冒険家の83歳、堀江謙一氏が世界最高齢での単独無寄港の太平洋横断に成功したのは記憶に新しい。
69日間にわたる米サンフランシスコからの航海は、困難な連続だったが、長年の経験と不屈のチャレンジ精神で乗り越えた。

「たくさんの支援や声援をもらいゴールできた」と語った堀江氏。「人生は長生きするといいことがある」とも。

堀江氏は、1962年、23歳で兵庫県西宮市から94日間かけて米国まで航海し世界の注目を集め、その後も単独無寄港世界一周などの挑戦を重ね、長距離航海の成功は12回にものぼる。
成功要因は、堀江氏の想像を絶する精神力と技術力はもちろんだが、周りの「人」の存在も、大きかったに違いない。

今年1月、読売新聞の「よみうり寸評」で、江戸時代の儒学者貝原益軒の記事を読んだ。
貝原益軒が養生について書いた「養生訓」には、かくしゃくとした自身の様子がつづられていることを知った。

「83歳になっても、まだ夜に細字を書いたり読んだりし、歯も一本も抜けていない」と。

養生訓では、子が時々親のそばで話をするよう勧めている。
運動や栄養に加え、人との交流も予防に役立つ、との記事に見入った。

いつの時代も「健康寿命」は世の関心事であったのだろう。
そして、「人」の存在、「人」との交流の大切さも。

「ソーシャルイノベーション社会福祉法人佛子園が『ごちゃまぜ』で挑む地方再生(ダイヤモンド社)」にも、人の交流についての意義が書かれている。

高齢者は高齢者だけ、子どもたちは子どもたちだけという縦割りではなく、異なる世代の人と人とのつながりが、大きなエネルギーを生むという。

コロナ禍の今、感染防止対策を行った上で、あらためて「人とのつながり」の意義を考えたい。

堀江氏は、こうも語っていた。

「今も青春真っ只中の気分です」

「人」から「人」へ。
元気が伝播していくメッセージだ。