今年のノーベル物理学賞に、プリンストン大学の上席研究員 真鍋淑郎氏が選ばれた。
大気と海を物理法則でシミュレーションする「気候モデリングの父」と呼ばれ、地球温暖化の可能性を初めて指摘した人だ。
気候変動は、私たち人類や社会にとって身近な問題で、気候変動対策に真剣に向き合っていかなければならない、というメッセージとしても意義深い。
今は、気候変動と生物の進化との関係に興味を抱き、衰えぬ研究意欲を示されている。
一方、別のニュースも耳にした。
アメリカで宇宙飛行を成功させた民間企業ブルーオリジンは、ウィリアム・シャトナー氏が宇宙船に搭乗すると明らかにした。
シャトナー氏は、テレビ放送を始め、映画でも7回にわたりSFシリーズ「スタートレック」に船長の役として出演し、長年にわたり宇宙飛行に憧れていたという。
今回、それぞれの素晴らしい研究やチャレンジングな内容と同時に心に留まったのは、お二人の年齢のことだった。
真鍋氏もシャトナー氏も、ともに90歳なのだ。
人生、何歳になっても充実した日々を過ごすためのキーワードは何だろう、そう思った。
真鍋氏と一緒に働いた同僚は「研究が好きでたまらない人」と振り返っている。
「好奇心の塊、研究をエンジョイする人」と評する仲間もいる。
シャトナー氏は、「自分自身の目で宇宙を見る機会を得た何という奇跡だ」とコメントし、
シャトナー氏のエッセイ本には「試せるもんなら、何でもイエスと言おう」という一節があるらしい。
好奇心とエンジョイ。
この2つのキーワードは、「人生、充実した日々を過ごすための秘訣」なのかもしれない。
では、「好奇心」は、どうしたら高まるのだろう。
先日、「70歳が老化の分かれ道(和田秀樹著/詩想社新書)」という本を読んだ。
精神科医の和田氏が、若さを持続するためのカギについて語っている。
特に印象に残ったのは「脳の老化を防ぐのは、生活のなかの変化」というフレーズだった。
「変化」を意識する。
例えば、
いつもと違う店に行ってみる。
たまには別のジャンルの本を読んでみる。
知らない場所を散歩してみる。
日々の生活に、少しだけ「変化」を心がけてみると、新しい発見、初めての感動体験に出会うかもしれない。
やりたいこと、好きなものが見えてくるかもしれない。
手間がかかること、大がかりな準備が必要なものなどは避けて、まずは「ちょっとしたこと」から。
そして、その「ちょっとしたこと」から、自分では想像もしなかった「新たな自分」「ワクワクした人生」に出会えるかもしれない。