日本時間の11月19日。
米大リーグの今季最優秀選手(MVP)が発表され、投打の二刀流で歴史的な活躍を見せたエンゼルスの大谷選手がア・リーグで選ばれた。
日本人では2001年のイチロー選手以来、20年ぶり2人目の快挙だ。
技術の高さや人柄の素晴らしさはもちろんのこと、大谷選手のプレーを見ていていつも感じることがある。
それは、少年のように野球を楽しんでいる姿だ。
想像を絶する苦労やストレスも多いと思う。
ただ、大谷選手は、それらを含めて楽しんでいるように思える。
難しく大変な局面を楽しんでいるように感じる。
だから、いつも全力で笑顔を絶やさない。
少年のような野球愛に溢れていて、野球が楽しくてたまらないからこそ、二刀流で現代野球の常識を打ち破ることができたのだと思う。
読売新聞の「よみうり寸評(11月19日夕刊)」の記事で引用されていたキュリー夫人の言葉が印象に残った。
実験室にいる科学者は、単なる技術者ではありません。まるでおとぎ話を聞いたときのように胸を打たれて、自然現象の前で目を輝かせている子どもでもあるのです。
純粋な野球少年そのままの大谷選手の姿に、人々は魅了され、楽しくなりワクワクしてくる。
同じく11月19日。
NHKの朝の情報番組に若宮正子氏が出演していた。
若宮氏は、80代からプログラミングを始め、スマホのアプリを開発し、最高齢のプログラマーとして世界から注目されている。
毎日が楽しくてたまらない、という気持ちとエネルギーが画面から直接伝わってくる。
若宮氏が話す言葉を思わず書き留めた。
年をとると、いろんなものが減っていきます。歯も、髪の毛も、お金も・・・。
だけど、学び続けると頭の中の財産は増えていきます。
人生100年時代。楽しく生きるためには、学び続けることが大切だと思います。
生きている間は進化するということを。
何歳からでも始められるということを。
若宮氏は自ら実践されていて、一つひとつの言葉が心に響き、説得力がある。
「チャレンジし続けるための秘訣は?」という司会者からの最後の質問への回答にも感銘を受けた。
肩の力を抜いて、気軽に、マイペースで、とりあえずやってみることです。
そして、何よりも楽しむことが大切ですね。
今、あらためて思う。
「能動的に、自ら楽しむ」ということの意味を、もう少し深く考えてみたい。
そして、楽しめそうなこと、関心がありそうなことを、とりあえずやってみよう。
ブログを書きながら「論語」の教えを思い出した。
之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。
孔子は、
「知る」だけでは必ずしも上達につながらず、「好き」という思いがあることが上達を促す。さらに「とにかく楽しい」というワクワクした気持ち、楽しむという境地が、最大限の力を発揮する。
と説いている。
大谷選手と若宮氏が体現している、大切な教えだと思う。