Visionary

ALL FOR FUN

人生・仕事の「V字回復」の秘訣 〜逆転の発想力〜

f:id:wakuwork:20210925180949j:plain



カンブリア宮殿」に森岡毅氏が出演していたのを思い出した。

UFJ」や「ネスタリゾート神戸」「西武園ゆうえんち」など、数々の事業のV字回復を実現している、マーケティング精鋭集団 株式会社「刀」の代表だ。

V字回復の秘訣は何だろう、と見入った。

独自の数学マーケティングで分析する「需要予測」の話も勉強になったが、最も印象に残ったのは、「逆転の発想力」だ。

例えば、「ネスタリゾート神戸」の事例を見てみよう。

年金受給者のための保養施設「グリーンピア」のひとつ、「グリーンピア三木」が破綻状態となり、その後、新たな経営主体のもとで「ネスタリゾート神戸」として再出発した。
でも、一度破綻した施設の復活は簡単ではなく、リニューアル後もが苦戦が続いていた。
そこで、ネスタリゾート神戸が助けを求めたのが、「刀」だった。

その後、「大自然の冒険テーマパーク」として再々出発し、わずか1年で客数2倍、売上は3倍近くに増加した。
コロナ禍で大変な2020年も、過去最高集客を更新し続けている。

当時、山林に囲まれた人口8万人弱の市に残る巨大な施設は「負の遺産」と言われていた。
「顔」とすべき際立った特徴が見当たらなかったのだ。

ただ、森岡氏のV字回復の秘訣である「逆転の発想力」が、景色を大きく変えた。

「物事には、2面性がある。事実を反対から見れば、それは強みになり得る」

森岡氏の考えだ。

そうか。

「逆転の発想力」で大切なことは、事実に真正面から向き合い、課題や欠点と思っていたことを強みに変えることなのだ。

森岡氏は、新しいコンセプトを「大自然の冒険テーマパーク」として、自然に囲まれた広大な敷地だからこそできる貴重な体験を魅力として打ち出した。

「自然しかない地方の施設」を「自然を強みにする魅力あるテーマパーク」へと発想を逆転させたのだ。

確かに楽しさが溢れる、ワクワク感に満ちたテーマパークへと様変わりした。

広大な大自然の中でチームに分かれて敵を撃つサバイバルゲーム「ガンバトル・ザ・リアル」

大地の起伏をそのまま生かしたオフロードコースを本格バギーで走り回る「ワイルド・バギー」

緑に囲まれた池の上にカヌーを浮かべ、浮島を回る「ワイルド・カヌー」

期間限定で大自然を見下ろす熱気球「バルーン・フライト」
・・・。

どれも、コンクリートで新しい施設を造ったわけではなく、もともとあった大自然を生かしたアトラクションばかりだ。

さらに話を続けよう。

大自然の冒険テーマ」のコンセプトでテーマパークをつくる時、森岡氏は「人間が大自然で興奮するということは何か」を真剣に考えた。
そのために、一人で何日も山にテントで篭り、自然の中で生き物を捕らえて食べて生きるという体験もし、狩猟免許まで取得した。

すごい、と思う。

もともとある強みを体感し、知り尽くし、生かすこと。

「逆転の発想力」の源だ。

自分や自分の人生に置き変えて考えてみる。

自分は、本当の自分を知っているのだろうか。
真剣に自分の魅力を知ろうとしてきただろうか。
「自分」の課題や欠点だと思ってきたことが、実は、大きな「強み」なのかもしれない。
本気で「自分」を知ることに、もっと時間を費やすことが大切ではないだろうか。

まずは、真っ白なシートに、自分が感じてきた自分自身の課題や欠点を書いてみることから始めてみよう。
そして、その一つひとつを反対の視点から「強み」として見つめ直してみる。

自分のもともとあった「強み」を生かして「人生のV字回復」に一歩近づけることができるかもしれない。

新しい景色が、目の前に広がるかもしれない。